十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

湯ったり、のんびり(2)「自然満喫、極上の湯~芽登温泉」

川の水音が心地よい新設の露天風呂「巨岩の湯」は、時間帯で男性専用、女性専用、混浴(湯あみ着着用)利用が分かれる。取材時は木々がほんのり色づき始めていた

十勝一古い開湯 新鮮な湯を楽しんで
 足寄町中心部から車で約45分、原生林と糠南(ヌカナン)川に抱かれた“秘湯”は、そこに居るだけで体と心にエネルギーが満ちるようだ。

 開湯は、十勝管内で最も古い1901(明治34)年。こんこんと湧き出る湯は毎分120ℓに及び、「それゆえの新鮮さが自慢」と、湯を守る4代目・伊東司さんは胸を張る。加温を一切しない「源泉100%かけ流し」は当時と変わらず、その極上の湯質を求めて、管外の宿泊客も多い。

大露天風呂は約20人が入ることができる広々とした湯。石造りのシマフクロウのモチーフもかわいらしい。夜は樹木をライトアップして幻想的な雰囲気に


 風呂は山側と川側で雰囲気が違う内湯と、大小2つの露天風呂、2015年に完成した新露天風呂「巨岩の湯」だ。ヒノキ板を使った明るい内風呂も趣があるが、露天風呂はなお別格。ほどよい硫黄の香りと川のせせらぎ、四季折々の姿を見せる木々に癒されるひとときは、心まで“すっぴん”になれそうだ。

 湯上り後は、ヤマセミやクマゲラ、運がよければシマフクロウにも出合えるという温泉宿周辺の森を散策してみよう。マイナスイオンをたっぷり浴びて、まさに“美肌の秘湯”でもある。

高温と低温の浴槽を備える山側の内湯。源泉は58.3℃を保っている

館内には開湯の歴史を知ることができる「ミニ資料館」も

足を伸ばして、ダイナミックな「巨岩の滝」もぜひ。温泉宿前の林道を北に向かってさらに車で約5㎞進むと看板がある

「12月中旬からは雪見風呂もいいですよ」と、湯の守り人・伊東さん


足寄町芽登2979
Tel:0156・26・2119
日帰り入浴/10時30分~20時。巨岩の湯は10時30分~12時は男性専用、12時~13時30分は女性専用、13時30分~20時は混浴(湯あみ着着用) ※清掃で利用できない場合あり
入浴料金/大人(中学生以上)550円、子ども(3歳~小学6年)250円、乳児(3歳未満)150円
食堂/11時~13時30分(LO15分前) ※食堂は不定休

森の中ひっそりとたたずむ建物は、和洋10室の宿泊部屋を備える。チーズなど地元食材を使った料理を堪能しながら、じっくり湯を楽しむのもいい


※フリーマガジン「Chai」2019年11月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます.