十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

十勝のはしっこ。(4)「陸別」

 銀河線や天文台がある市街地のさらに先で、魅力的な場所と人に出会った。

Cafe&うつわ tomono
探して寄りたいぬくもり空間

 陸別市街地から、国道を北に約15㎞。すぐ先は訓子府町、まさに陸別の“はしっこ”にたたずむカフェ。新潟から家族で移住した坂井友子さんが、「毎日の食卓に潤いを」との思いから、2013年に開店した。陶芸教室も開く坂井さん。お手製の器でいただく料理やスイーツはぬくもりいっぱいだ。

〈tomonoカレー〉(中)800円。タマネギやリンゴがたっぷり入ったトマトベースのルーは優しい味。卵は町内の人が愛情かけて育てたニワトリが産んだもの。〈玉子かけごはん〉300円など朝食メニューも

カップなど器も販売している。飲食時の皿は1割引きで購入可

陽だまりのような笑顔で出迎えてくれる坂井さん。「カフェは大学時代からの夢」


陸別町小利別本通東1-9-1
Tel:080・5581・1155
営:木・金・土曜のみ。8時15分~17時




靴を脱いでくつろげるツリーハウスは我が家のよう。三好さんは元陸別消防署職員。「ツツジを真上から眺めるロープウェイも作りたいね」とアイデアマンだ

ニレの木陰
ツツジを見渡すツリーハウス

 「のんびりする場所が欲しくてね」と、町内の三好幸三さんは豪快に笑う。私有地のニレの木に2009年に作ったツリーハウスは、高さ約4m。家具やストーブも備わった“天空の書斎”だ。ところが今は観光客も訪れる。実はここ、三好さんが手掛けた私設ツツジ園内で、ハウスは最高の花見ポイントなのだ。花の時期はカメラの準備もお忘れなく。

ツツジは気候によるが、5月末から6月下旬が見頃。約1haの敷地に1万本が咲き乱れる。2年前にはハウス西側にウッドデッキも新設した


陸別町上陸別
Tel:090・9088・1301
※見学は事前に三好さんに問い合わせを




中央の壕は長さ約100m、幅6m、深さ3m。遺跡は利別川との比高約50mの段丘上にある。散策にもぴったり

ユクエピラチャシ跡
国指定の貴重な史跡

 チャシは、アイヌ文化期(13~18世紀)の砦跡。ユクエピラチャシ跡は道内でも最大級で、1987年に国指定史跡となった。溝「壕」に囲まれた三つの郭(かく)が連結した形をしている。壕の外側には表面を火山灰で覆った大規模な盛り土があり、「白いチャシ」だったことがわかっている。

中央の郭から街並みを一望できるのも魅力

火山灰を運び込み、白いチャシを復元する作業もたびたび行われている


陸別町字トマム2-2


※フリーマガジン「Chai」2018年6月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。

十勝のはしっこ。

十勝のはしっこの町には何がある? Chai編集部スタッフが、手分けして東西南北“はしっこ”のまちを探検しました。

十勝のはしっこ。(4)「陸別」

十勝のはしっこ。(3)「広尾」

十勝のはしっこ。(2)「新得」

十勝のはしっこ。(1)「浦幌」