十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年5月号

特集/はさんでおいしいLet'sサンド!

十勝のはしっこ。(1)「浦幌」

いけすからすぐに炭火焼きで食べられます!

 “東のはじっこ”浦幌町は、おいしい魚介がいっぱい! そして、約200年前からすでに、十勝と釧路の境界だったことが古文書に記され、松浦武四郎も歩いている。

魚介類販売店
新鮮魚介をその場で炭火焼

 現役漁師の広尾清光さんが営む。漁船を改造したいけすに、カニやホッキ、ツブなどの姿が。「厚内でとれる魚介類は豊富。秋のアキサケに始まり、シシャモ、ツブ、タコ、ホッキ、毛ガニと初夏まで漁が続くんだ」と広尾さん。店では、炭火焼きで食べることもできる。事前に問い合わせるのがお薦め。

いけすの魚介は時期によって変わる

店を営む広尾清光さん(右)と妻の律子さん(左)


浦幌町厚内225
Tel:015・578・2928(店舗)、090・6211・0988(広尾さん)
営:5月1日~12月30日8時30分~16時30分(閉店時間は変わる場合があります) 休:不定

店舗は厚内漁港の目の前




商品名は漁師の呼び方の「がんず」。軽くあぶり、身はフワっとしていてご飯にも、酒の肴にもピッタリ

山本商店
市場に出回らない魚「ガンジ」の一夜干し!

 JR厚内駅前で65年ほど前から店を構え、食料品販売と海産物の加工品も手掛けている。厚内の前浜や道東でとれた魚介をトバ、一夜干し、薫製などに加工・販売している。「ガンジ」と呼ばれている魚の一夜干しは、絶妙な塩加減で、酒の肴(さかな)にピッタリ! シシャモ漁で混獲され量が少なく、市場には出回らない魚。

山本商店の一番人気は「鮭トバ」。タレに漬け込んでから干す。「タレは試行錯誤したね」と話す山本商店代表の山本倖嗣さん


浦幌町厚内(JR厚内駅) 
Tel:015・578・2013
営:8時~18時30分(閉店時間は変わる場合があります) 
休:不定




崖の下のあたりに渡船場があった

白糠丘陵
植物や動物の境でもあり、江戸時代から十勝と釧路の“国境”

 十勝の東端に広がるのが白糠丘陵。十勝と釧路の境にあり、西端は浦幌から浦幌川、利別川沿いに、北は雌阿寒岳付近まで。東端は釧路湿原ぐらいまで。南端付近にある浦幌町直別には江戸時代から明治にかけて渡船があり、江戸時代から「トカチ」と「クスリ」(現在の釧路)の境として古文書にも記録されている。地域の堺だけでなく、浦幌町立博物館の学芸員、持田誠さんは「白糠丘陵を境に東西それぞれ片側でしか見つかっていない植物や、は虫類がいるなど、動植物の境にもなっています。その一つがウラホロイチゲです」と話す。太古からの地形の隆起や沈降、温暖気候による水位の上昇など、長い年月をかけて地形が形作られていく中で、植生や動物の生息域も分かれたのではないかとされている。

ウラホロイチゲ

町立博物館の持田さん


◇ ◇

【特集】十勝のはしっこ
十勝のはしっこの町には何があるのだろう? まったりとしてしまうカフェ、おいしいパン屋さん、意外なメニューが並ぶお寿司屋さん…。Chai編集部スタッフが、手分けして東西南北“はしっこ”のまちを探検しました。「ソフトクリームラリー2018」が始まります。せっかく遠くまで行ったのなら、まちを巡って、新しい魅力を探すのも楽しいのでは?

※フリーマガジン「Chai」2018年6月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。

十勝のはしっこ。

十勝のはしっこの町には何がある? Chai編集部スタッフが、手分けして東西南北“はしっこ”のまちを探検しました。

十勝のはしっこ。(4)「陸別」

十勝のはしっこ。(3)「広尾」

十勝のはしっこ。(2)「新得」

十勝のはしっこ。(1)「浦幌」