十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

おさんぽ日和。(7)「ノルディックウォーキングで、十勝川温泉の魅力を堪能」

 スキーのストックに似たポールを持って歩く「ノルディックウォーキング」。音更町十勝川温泉の「十勝ネイチャーセンター」は、ノルディックウォーキングで十勝川温泉フットパスコースを巡るメニューを用意しています。チーフガイドの市川淳さんの指導を受け、緑が濃くなり始めた公園や森を歩きました。

十勝ネイチャーセンターチーフガイド・市川淳さん(左)とChai編集部・平田幸嗣


膝や腰の負担が軽くなるのを実感
 まず、市川さんから、ノルディックウォーキングの基本を学びました。ポールの長さは腕が90度程度になるよう調節し、握る部分(グリップ)には、ストラップが付いているので、指を通します(写真(1))。これで、まずは準備OK。

(1)


 ポールを持って、足や腰、腕のストレッチ。早速、練習開始。最初はポールを握らずに歩きます。が、ストラップが付いているので、当たり前ですが自然とポールが手についてきます。慣れてきたら、腕が前にきたときにグリップを握り、ポールを突き立てて、体を押し出すようにします(写真(2))。このときの押し出す力を加減することで、運動量の負荷を調節できるのです。強く押すと歩幅が広がり負荷が大きくなります。ポールを突くときの角度は、先に付いている「ラバーチップ」の底の面が、地面と平行(写真(3))になるぐらいです。「最初のうちは押し出すことをあまり意識せずに歩くのがポイント」と市川さん。教わった通りに歩くと、軽く手に力を入れているだけなのですが、膝や腰への負担が軽くなるのが分かります。

(2)

(3)


森を抜け、急斜面上を上り…見晴らしの良さに気分爽快
 練習ですっかり体がほぐれたのでフットパスコースを巡ることにしました。市川さんに案内してもらい、「ガーデンスパ十勝川温泉」を出発。北に向かい砂利道や林、あぜ道を抜けてすぐに十勝が丘公園に到着。公園を横切ると森に突入し、いきなりワイルドな雰囲気に。「ここから急になります。足元に気を付けてください。滑りやすいですよ」と市川さん。足元は落ち葉が積み重なり、フワッとなって心地良いものの、気を抜くとズルッと滑りそう。一歩一歩ゆっくりと足を進めます。見通しがきかないほど木に囲まれているので、すぐ下に温泉街があることを忘れてしまいそう。

ガーデンスパ十勝川温泉の裏(北側)から、フットパスコースに入りました

十勝が丘公園を通り抜けると、急にワイルドな雰囲気に。急斜面が続きます


 急な斜面が続きますが、ポールに少しだけ力を入れるだけでとても楽になり、ありがたみを実感。市川さんが気を使ってくれて、時々立ち止まり休憩。「この辺りは針葉樹と広葉樹の混交林なんですよ」と市川さんが説明してくれ、上ることに必死で、周りの景色を楽しむことができていなかったことに気付きました。フーっとひと息ついて目線を上げると、木漏れ日が気持ちをリラックスさせてくれ、たまには森の中を歩くのもいいかもと感じました。

林を抜け畑の間に出ます。市川さんが指さす先にある展望台を目指します

畑を抜け松と白樺の“トンネル”を通ります。木陰となり気持ち良く歩けます


最後は無料の足湯で疲れをとり、至福の時
 10分ほど斜面を上ると「はい、ここできついところは終わりです!」。市川さんが声を掛けてくれ、森の中の作業道路のようなところに出ました。少し歩いてアスファルトの道路を進むと十勝が丘展望台に到着!! 晴れ渡り帯広市街や幕別町の畑もきれいに見えて、一気に疲れが吹き飛び気分爽快! そして市川さんがコーヒーをいれてくれ、最高のひとときを過ごしました。

十勝が丘展望台に到着。晴れ渡り気分爽快!


 ガーデンスパ十勝川温泉に戻り、足湯でくつろぐとなんとも言えない安らぎを覚えます。無料で使える足湯用の敷物や足拭き用タオルも用意されており、気軽に利用できます。疲れを癒やした後は、食事を楽しんだり、お土産を買ったりと、十勝川温泉の魅力を再認識した1日でした!

展望台からガーデンスパ十勝川温泉に戻り、足湯で至福の時


<ノルディックウォーキング>
ノルディックウォーキングは、クロスカントリースキーの選手が夏場のトレーニングとして、2本のポールを手に持ち、歩いて運動をするようになったのが始まり。ポールで体を押し出す力を加減することで運動量(負荷)を調節でき、正しい姿勢で歩くと膝や腰への負担も減らす効果がある。下半身だけでなく、腕や上半身など全身を使った有酸素運動。

十勝ネイチャーセンターは、カヌーツアーや早朝熱気球体験、マウンテンバイク、ネイチャーノルディックウォーキングなど各種メニューを用意しています。料金など詳細は、ホームページhttp://www.nature-tokachi.co.jp/で。


音更町十勝川温泉南12丁目1-12
Tel:0155・32・6116
営:9時~18時
休:なし


※フリーマガジン「Chai」2018年7月号より。
※撮影/岩間康。写真の無断転用は禁じます。