十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

読むたのしみ(1)「十勝で見つけた、新しい本屋のカタチ(1)~岡書」

 「本を購入できる」だけで終わらないのが、昨今の本屋。自由な発想で営む本屋を訪ねました。

未来の書店はコミュニケーションがキーワード
 今から10年ほど前、町の本屋に代わってほ登場したのが「複合型書店」。本屋だけでなくカフェや雑貨スペースを併設した空間は、利便性とおしゃれな雰囲気が受けて首都圏から全国へ広まった。複合型書店のブームは続き、2016年には帯広市に「岡書 帯広イーストモール店」がオープン。売り場が充実しているのはもちろん、コンサーやワークショップなどのイベントも随時開催されている。

書籍や雑誌はほぼ毎日入荷し、新刊文庫の棚は約1カ月で入れ替わる。関連本を近くに陳列するなど、手に取りやすい工夫も

流行やニュースに関連した本が並ぶ企画コーナー。9月は北海道胆振東部地震にちなんで防災に関する本や、感染症について書かれた本を展示

雑貨と本を関連付けて展示したスペースもあり、興味が広がる


 店長の大久保知行さんは、「ネットで本が買える今、本はどこで買っても同じとなれば、魅力ある売り場作りが重要。まずは人が集まり、出会いが生まれる場所になれば」と、抱負を語る。かつて書籍を担当していた大久保さんだけに、本への思い入れも強い。新刊や売れ筋だけでなく、時代や流行を反映した本、十勝に由来する本など、同店ならではの品ぞろえにも注力する。

眺めているだけでもワクワクする雑貨コーナー。季節やイベントに合わせて変わる陳列も楽しい

気軽にネイルをケアできる「ネイルサロンティーエヌ」。リーズナブルな価格設定でリピーターも多い


 「スタッフ全員が〝本のコンシェルジュ〞として、お客さまとコミュニケーションが取れる店が目標です」と、大久保さん。リアルな店舗でしか味わえない楽しみがある限り、書店の未来はきっと明るい。

カフェ「ドトールコーヒーショップ」には、イベントで使用できるグランドピアノを設置

自由に遊べるキッズスペース。ワークショップなども開かれる


<岡書 帯広イーストモール店>
帯広市東4条南16丁目6
Tel:0155・28・3728
営:9時~23時(岡書)、9時~21時(ドトール)、
10時~20時(ネイルサロンティーエヌ)
休:なし


※フリーマガジン「Chai」2020年11月号より。
※撮影/辻 博希
※写真の無断転用は禁じます。

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