十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2025年1月号

特集/今食べたい 冬の鍋

てくてく名店さんぽ(52)「アンティーク着物 てふてふ」

趣味でアンティーク着物を集めていたのがきっかけで、2015年、56歳の誕生日を機に店を開いた土屋さん。自宅でひっそりと営んでいるにもかかわらず、道内各地から客が訪れる。「正月に着物を着たい」という着物初心者もぜひ相談を

心ときめく、大正ロマン&昭和モダン
 「着付けが難しい」「値段が高い」などの理由から、着物離れが進んで久しい。しかし帯広市のアンティーク着物店・てふてふに訪れれば、新たな着物の魅力を発見できるだろう。フォーマルな場面で着用する訪問着などとは異なり、アンティークをはじめとするカジュアルな着物に決まり事はなく、しかも1枚7000円〜と値段も手ごろ。食事や買い物などの外出時に、〝和装コーデ〞を楽しめる。

 店に並ぶ着物は、大正から昭和初期にかけて使用されていたもの。華やかな色使いと大胆なデザインが特徴で、洋服では派手過ぎる色柄の組み合わせも、着物なら違和感なく着こなせるのが面白い。店主の土屋加代子さんは、「半襦袢(じゅばん)の代わりにブラウスを着てもいいし、裾除けはペチコートで代用できる。ワンピースを選ぶ感覚で、日常に着物のおしゃれを取り入れて」とアドバイスする。

 京都や東京から仕入れた着物を、常時約50枚展示。仕付け糸が付いた未使用品など、掘り出し物が見つかることも。独特な色合いや精巧な刺しゅうに魅せられつつ、一期一会の出合いを満喫しよう。

シックな矢羽柄の着物とピンクの帯のコーディネート。布自体が美しいので、半襟やテーブルランナーなどにリメイクしてもいい。同店で購入した着物に限り下取りも可

古いブローチや片方を無くしたピアスを帯留めに加工。専用の小物を購入しなくても、身の回りのものを活用すればお金をかけずとも着物を楽しめる


<アンティーク着物 てふてふ>
帯広市西14条南29丁目3-2
Tel:090・1524・1133
営:11時~17時
休:火・日曜、祝日
※予約制。事前に電話かFacebookで連絡を
※12月28日~1月9日は休み


てくてく名店さんぽ
帯広や十勝の町の名店を紹介する、Chaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2024年1月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。