北海道の山を切り撮る

美しい函に感動 トヨニ岳(1493m)

  • ヌビナイ川左股は中級の沢。腰程度までは濡れることが予想されるので、7月下旬から8月上旬までが遡行適期だろう。
  • 8.2キロの林道歩きを余儀なくされる
  • 滝の処理はさほど困難ではない。登れない時は巻き道を探そう

2020年7月30日~31日

・日高山脈で最も美しいとも呼ばれるヌビナイ川。多くの登山者が目指す「七つ釜」がある右股ではなく、今回はトヨニ岳に突き上げる左股を選び遡行した。予定は豊似川左股を下り、野塚トンネル付近に出る計画だった。

・同行するのは山企画でおなじみのもっちー。数日前に余別川・エコー沢で散々水浴びをしてきたのにも関わらず、今回も濡れる沢へ行くことに。

・かつてヌビナイ川左股(クマの沢)まで延びていた昭徳右岸林道は複数箇所で崩壊し、現在は鹿鳴橋手前で車両通行止め。左股入渓までは約8.2キロ、約2時間。鹿鳴橋までは測量が入っていたので、復旧予定だろうか。右岸に渡ってからは土石流の爪痕が深い。

・入渓後は450m付近までシカ道(巻き道)を使ってショートカットする。南日高はシカが多いようで、どの山もはっきりとした獣道がついている。本州と違って動物が作った道を人間が使わせてもらっている。シカが歩いていそうな場所を探すのも面白く、力量が試されるところでもある。

・470m付近からゴルジュ帯が始まる。もっちーはジャブジャブと胸まで漬かり突破していくが、私はドローンをザックに忍ばせているため、できるだけ濡れずにへつる。がんばれば、濡れるのは腰当たりの高さまで。遊ぼうとすれば泳げる場所は数多い。高巻きが多いヌビナイ右股と比べ、左はほとんど中を行けるのが面白い。

・今回は諸事情から850m付近で引き返し、570mで1泊。右岸テラス(河床から高さ5mほど)でテントを張る。だれも泊まる人はいないと思うが、3人用テントまでなら快適にすごせるだろう。食事を作ろうとするも、着火材を忘れる大ポカをやらかし、結局夕食はお菓子。

・翌日は、一気に下り足が棒になる。そろそろソールの薄いフェルト地下足袋も卒業だろうか。散々もっちーにフェルト地下足袋は「絶滅危惧種」と言われている。いい年なのだからしっかりした装備で登らなければ。

・もっちーは明日から大雪山縦走。タフさに驚く。