- 中級者以上の沢登りとなる。
- 下りは夏道を使えるが、日帰りだと相当強行軍となる。沢を下るためには、ハーケン多数必要
- コイカクシュサツナイ川は水害で広い河原が続いている。
- コイカクシュサツナイ川左股の右枝沢に入るとすぐに滝が現れ、それ以降滝が連続する
2019年7月24日
北海道の岳人のバイブルというべき「北海道の山と谷」で最も難易度が高い分類になっている山へ―。
通称「山谷(やまたに)」は難易度順に「!」~「!!!」に分類されている。そしてそれぞれのレベルに「*」印が付くとさらに難易度が増す。最難関は「!!!*」となる。今回は「!!!」のコイカクシュサツナイ川左股右沢に挑んだ。
「山谷」は1977年に初版を発行。最新版は再々刊版だ。当初1冊だった「山谷」も再刊版は2冊、最新版は3冊と着実にボリュームを増やしている。学生の時、私は再刊版をすり切れるほどに読んですっかり山の世界に引き込まれてしまった。最新版は1冊のみ所有するが、最近になり登られるようになったルートが盛り込まれているので、こちらも重宝している。唯一、概念図がないのが唯一残念なところだ。ざっと滝や函マークを見るとどういった沢か分かるのが重宝した。
コイカクシュサツナイ川は2016年の台風災害で河畔林の多くが流され、広大な河原が広がっていた。過去に何度も沢沿いを歩いているが、全く光景が違う。サツナイのアイヌ語の意味は「乾いた川」というだけあって伏流した川筋を進む。台風以降あまり釣り人が入っていないのか、魚影があちこちで見られた。
左股右沢の出合い(700m)は2段の滝になっていた。その後、まもなく鋭く切り込んだ渓相に突入、滝の連続となる。直登できる滝も多いが、900m付近のハングの滝は左岸を巻く。巻きも想像以上に難しく、途中で滝の中間に出ることとなった。確保しながらハング状の滝超えたところで、頂上に立つことをあきらめ下山を決めた。
下りではハーケン5枚を費やし、なんともお金がかかる登山となった。