てくてく名店さんぽ(46)「小田壱」
いろいろな種類の乾麺が並ぶ店内。道産小麦を使用したうどんやそうめんのほかに乾燥ラーメンも。「そうめんはつゆにゴマ油を垂らすなど、少しのアレンジで表情を変えます。寒いときはにゅうめんをどうぞ」と小田社長
創業1938(昭和13)年の老舗。精米業に加えて、乾麺ときな粉のメーカーとしての顔を持ち、工場横にある店舗にそれらが並ぶ。戦前から乾麺を製造してきた同店のそうめんやひやむぎは、小麦本来の風味とコシの強さが特徴だ。
4代目となる小田琢一社長は「素材となる小麦は農家が丹精込めて作ったもの。その小麦が持つ能力を引き出すのがわれわれの腕の見せ所です」と熱を込める。あえて時間をかける製造工程もあるといい、おいしいものを届けたいという強い思いが垣間見える。道産小麦にこだわった乾麺シリーズも展開している。
また、きな粉では青大豆由来の美しい鶯(うぐいす)色が特徴の、〈純青きな粉〉の評価が高い。丁寧にばい煎して香ばしくも上品な風味に仕上げており、和菓子の老舗「とらや」の〈鶯餅〉にも使用されている。わらび餅などにかけると良さが際立つ。
この夏は、こだわりのそうめんなどでひんやりと涼んでみてはいかが。
<小田壱>
幕別町札内中央町344
Tel:0155・56・2020
営:9時~17時
休:土・日曜、祝日
◆てくてく名店さんぽ
帯広や十勝の町の名店を紹介する、Chaiの連載です。
※フリーマガジン「Chai」2023年7月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。