2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

ととのえる、春(4)「知りたい、老舗理容室の今~HAIR DO OHARA1925、おしゃれハウスはにぶち」

 十勝管内の老舗理容室4店舗に、店の歴史や店主が思う「整えるとかっこいいポイント」を聞いた。

創業98年
HAIR DO OHARA 1925

「くせ毛や骨格を見ながら左右のバランスを整えていくボブスタイルが得意です」と店主の大原さん


次世代に伝える熟練の技
 1925年7月に「理容板谷」として開業した老舗。4代目の大原知さんは東京で9年修業したのち、1994年から父と共に働き始めた。十勝を代表する老舗として親子3世代で通う客もおり、幅広い世代に愛されている。

 「自分の道具は自分でメンテナンスをする」が父から受け継いだ教え。ハサミやバリカンなどを自ら、砥石(といし)を使い分けて丁寧に磨き上げる。知識を若い世代にも伝承したいとハサミの研ぎ方を教える一方、自身も技術向上のため勉強会にも積極的に参加している。

気軽にハサミを研げるようにと、ガラスや耐水ペーパーなど身近に買えるものを使い指導する

5年前に導入した水素トリートメントは、帯広では扱っている店が少ない。最新の技術も積極的に取り入れている


ココがカッコイイ
 頭の形の中で、一番出っ張っている部分の「ハチ」の膨らみを抑えるとシャープに見えます。小顔効果も期待できますよ!

<HAIR DO OHARA 1925>
帯広市西6条南12丁目19
Tel:0155・23・4144
営:9時~19時
休:火曜、第3月曜




創業86年
おしゃれハウスはにぶち

バンド活動やシカの角を使ったハンドクラフトを手掛けるなど多趣味な埴渕さん。カット中に面白い話が聞けるかも


歴史に甘んじない新たな活動を
 1937年に鹿追で創業したおしゃれハウスはにぶち。三代目の埴渕裕司さんは店の歴史に甘んじず多彩な活動をする熱い心の持ち主だ。

 埴渕さんは基本的なカットやパーマが得意。しかし、最先端の技術で対応したいと毎週、研修を受けて技を磨く。また、定休日には病院や福祉施設を訪ねて高齢者らのカットを担い、来店が難しくなった客にも寄り添う。

 防災士の資格も持つことから店に防災グッズを置き、同価格で譲る。理容とともに町民の防災意識向上も図っている。

約30年前に親戚が作った粘土の人形は祖父の初代店主がモデル。「お客さまに支えられ続いてきた」と埴渕さん

左から、自作品、国家資格取得時にオーナーからプレゼントされたハサミ、同店のロゴ入り、修業時代の上司から贈られた1本。思い出が詰まる


ココがカッコイイ
 すっきりと短い髪型が日本人男性に似合うと思います。理容師にとって、短いほど技をごまかせない髪型です!

<おしゃれハウスはにぶち>
鹿追町東町6
Tel:0156・66・2615
営:8時30分~18時30分
休:火曜、第1・3月曜


※フリーマガジン「Chai」2023年3月号より。
※撮影/スタジオ・イッセイ 高橋一生、鎌田廉平。写真の無断転用は禁じます。