勝毎電子版ジャーナル

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県道沿いの集落を歩くクサツネ

アブに見舞われロバすねた 日本縦断ロバの旅(10)

高田 晃太郎

旅人

 今年の夏は、アブが多かった。アブは汚れた水ではなく、清流で生まれるという。私たちが歩くのはもっぱら人がいない山間部なので、アブにはことのほか苦しめられた。

 老人ホームのガーデンにテントを張って一晩過ごした翌朝、私たちは奥会津の最奥部・只見町に向けて歩き始めた。選んだのは最短ルートの国道252号ではなく、時間はかかるが交通量が少ない県道と別の国道をたどる変則ルートだ。252号は...