勝毎電子版ジャーナル

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道端の笹に口を伸ばすクサツネ

道草食いながら峠越え~日本縦断ロバの旅(6)

高田 晃太郎

旅人

 朝4時、空が白み始めたころ、ヒグラシが一斉に鳴き始めた。それを夢うつつに聞いていると、間もなく、耳をつんざくようなクサツネの絶叫が響き渡る。腹を空かせて、餌をくれとねだっているのだ。 

 それがクサツネとの旅を始めて2日目の朝だった。昨晩、河川敷にテントを張った私のすぐ側では、クサツネが夜通し草を食べていたので、咀嚼音が絶えず聞こえてきた。そして、早朝のこの絶叫。私はほとんど眠...