勝毎電子版ジャーナル

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青々とした田んぼを眺めるクサツネ

行きずりの旅人なのに・・・大切な鍵を手渡され 日本縦断ロバの旅(8)

高田 晃太郎

旅人

 額を手の甲でぬぐうと、汗でべっとり濡れた。今日も暑い。私たちがいる福島県の伊達市では、この夏初めて40度を超えたらしい。青々とした田んぼをはた目に歩いていると、車から「こんにちは」と声をかけてきた40代くらいの女性がいた。

 「差し入れです」

 そう言って差し出された袋の中には、お茶のペットボトルと酎ハイの缶、会津名物のせんべいが入っている。飲み物は保冷バッグに入...