2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

てくてく名店さんぽ(41)「にたいら酒店」

ふんわりと酒が香る店内には、所狭しと商品がならぶ。利き酒師の資格を持つ奥さまの仁平杏奈さんは、客が求める味を会話から探るという。好みの酒を提案できるのも、酒はもとより酒蔵の特徴を知り尽くしているから

酒蔵と客をつなぐ懸け橋に
 創業して50年ほどになる「にたいら酒店」。お酒が好きな人なら、ずらりと並ぶこだわりのラインナップに目を奪われるはず。特筆すべきは日本酒の豊富さ。かつて帯広にあった酒蔵に勤めていた先代が開いた同店ならではだ。

 しかし、豊富な銘柄をそろえるのは簡単ではない。「自ら酒蔵に足を運び、信頼関係を結んで取引をする。商品を扱えるまで3年掛かることもざら」と同店の2代目、仁平泰臣さんは話す。仁平さんによると、酒屋は酒蔵の思いや酒造りから生まれた物語を取引先の飲食店や客に伝える橋渡し役。ゆえに「酒蔵と酒屋は一心同体」とも。常に、目まぐるしく変化する酒業界へアンテナを張り最新情報を仕入れている。今の商品の良さを伝え、販売することで未来に酒造りが続いていくのだ。

 もちろん、日本酒だけでなく焼酎やリキュール、ワインも豊富にそろう。寒い冬、作り手と売り手の熱い思いのこもった酒で温まろう。

〈森嶋〉〈冩樂〉〈伯楽星〉〈紀土〉がにたいら酒店で柱となる日本酒の銘柄

1年で2月1日深夜にのみ搾り、24時間以内に発送される特別な新酒〈九頭竜の夜明け〉1,980円。純米吟醸、無濾過の生原酒で720ml。2月6日に店頭入荷予定なので問い合わせを


<にたいら酒店>
帯広市東6条南8丁目19-3
Tel:0155・22・8610
営:9時~19時
休:日曜・祝日(土曜が祝日の場合は営業)


てくてく名店さんぽ
帯広や十勝の町の名店を紹介する、Chaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2023年2月号より。
※撮影/鎌田廉平。写真の無断転用は禁じます。