十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年12月号

特集/新店でめぐる2024年

うまいぞ!中華(1)「いただきます! 十勝の中華~中国広東料理 美珍樓西家」

見よ!この昇り龍を思わせる火力!家庭では再現できない強い火力での炒め物もご覧の通り。(中国広東料理美珍樓西家)

 中華料理は奥深い。歴史もあれば、種類も豊富。十勝管内9店舗の中華料理人にこの夏のイチオシメニューと、料理への思いを聞いた。

進化を続ける老舗の本格中華
中国広東料理 美珍樓西家

〈よだれ鶏〉1,380円。全国の中華料理人の聖地と呼ばれる名店「龍の子」からレシピを学び、その味を再現している


 十勝随一の中華の名店と言えばこちら。横浜の有名店で修行した先代が1967年に創業。以来、全国に引けを取らない本格的な中華料理を提供し続けている。

 鈴木邦彦総料理長は「その時代に合った食の好みをつかみ、隠れた変化を加えて進化することが『変わらないおいしさ』を提供すること。当店には11人の料理人が在籍しており、全員が日々勉強しています」と、長く愛される同店の秘訣(ひけつ)を語る。

 夏にぴったりのメニューとして鈴木総料理長が挙げたのは、中国の近代文学者が「思い出すだけでよだれが出る」と著して名が知られるようになった〈よだれ鶏〉。絶妙な加減にゆでた鶏肉を、10種類以上のスパイスが入った調味料で3日間漬け込む。そこにしびれる辛さのタレと薬味をかけた、ごちそう感のある冷菜。一切れでも食べ応えあるジューシーな鶏肉と複雑な風味のタレのハーモニーは、まさに垂涎(すいぜん)の一皿だ。

〈大海老と帆立の黒胡椒熟成醤油炒め〉2,180円、Sサイズ1,480円。大きなエビにサロマ産のホタテ貝柱、大ぶりに切った野菜に絡む香ばしい醤油ダレ。ピリリと爽やかな辛みの黒コショウ風味で箸が止まらない

〈空芯菜の炒め〉920円。炎が天井に届くほどの火力で30秒以内でシャキッと炒めた名物料理。シンプルな調理法だからこそ空心菜が旬でおいしい春夏季限定商品


帯広市西19条南2丁目25-9
Tel:0155・33・0030
営:11時~14時30分、17時~21時30分
休:月曜定休、火曜不定休

料理人やスタッフの高い技術と探求心で、間違いのないうまさの中華メニューの数々が提供される。鈴木総料理長(左)は調理師学校の講師も勤めている



※フリーマガジン「Chai」2022年7月号より。
※撮影/辻 博希。写真の無断転用は禁じます。