十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

本日、寿司気分(1)「今日は、思いきって」

今日は、思いきって
 寿司屋は敷居が高そう…と緊張する人も多いのでは? 実はそんなことはありません。ただただ、うまい寿司を食べてほしい! というあつ~い思いの握り手の皆さんは、気軽に寄ってくれるあなたを待っています。北海道鮨商生活衛生同業組合十勝支部を訪ねて、心構えや寿司の楽しみ方を聞きました。

 十勝支部は、寿司文化の振興に努める全国組織「全国すし商生活衛生同業組合連合会」の支部のひとつ。加盟店では同連合会が発行する「すし券」を利用でき、十勝は9店が所属する。

 寿司は江戸時代、立ち食いで気軽に楽しむ庶民の食事だった。十勝支部長の天池文規さんは、「肩肘張らず、まずはおいしく食べて」と笑顔を見せる。最低限の振る舞いは必要だが、握り手の思いを感じる方が大切。その日のお薦めや自分の好みなどについて、遠慮なく会話してみよう。

 さて、形式にとらわれすぎなくてよいと分かったところで、挑戦してほしいのがカウンター席だ。食べるまでにわずかな時間差ができるそれ以外の席とでは、味わいに差が出る。天池さんは、「握って数秒で口に入れる瞬間が一番おいしい。寿司の醍醐味です」と力を込める。次の寿司が出てくるまでの「間合い」も楽しんで。大将と客の息が合う空間は、独特の心地よさがある。

 もうひとつのポイントが、手で食べることだ。シャリの握り具合やネタの温度感など、職人技を堪能するには、その状態を保って口に運べる「手」がベスト。さあ、気後れしてる場合じゃありません。思いきって行ってみませんか?

このマグロはねェ…

あま池のカウンター席は、寿司ネタの話に耳を傾けるだけでもワクワクする。壁にはその日のお薦めがずらりと並び、産地は愛媛や愛知、静岡、京都など。本州各地で寿司を握っていた天池さんならではの目利きが光る

ランチの〈花〉2,900円は、生寿司や天ぷら、小鉢、椀もの、サラダ、果物付き。この日のネタはキンメダイ、カズノコ、マグロの大トロ、ウニ、イクラ、南蛮エビ、ホタテ、ズワイガニ


<教えてくれた人>
北海道鮨商生活衛生同業組合十勝支部
支部長 天池文規さん(高級鮨膳 あま池代表)


取材協力/高級鮨膳 あま池
帯広市西1条南17丁目17
Tel:0155・25・1190
営:12時~14時(LO30分前)、18時~20時30分
休:日曜
※夜は完全予約制。カウンター席の場合は1週間前までに要予約




おいしい寿司、気軽に食べてみて
ネタよし、腕よし、十勝支部のお寿司屋さん

 まずはココから。おいしい寿司を提供したい! と日々精進する十勝支部のメンバーです。

(1)寿しの喜久代 創業72年の老舗
 帯広名門通りでのれんを掲げる老舗の名店。一人でも大勢でもおいしい寿司と酒を堪能できる。

吟味された旬の食材と確かな職人の技が光る〈大特上寿し〉2,800円

座敷も広く、大人数の宴会も可


帯広市大通南10丁目7
名門ビル1F
Tel:0155・24・2211
営:17時~23時
休:日曜



(2)竹葉寿司 和食メニューも充実
 気軽に立ち寄れ、家族連れにも人気の寿司店。寿司はもちろん、豚丼や天丼などもお薦めだ。

カニ、ホタテ、イクラなどのネタが見た目にも鮮やかな〈バラちらし〉1,400円

専務の杉山峰彦さん


幕別町札内中央町434
Tel:0155・56・3002
営:11時~22時
休:火曜



(3)寿司処 春日 豊かな海の幸を堪能
 北海道ホテル内の寿司カウンター。ケースには厳選された素材が並び、握りたての寿司を楽しめる。

まぐろの漬けや煮牡蠣など、ひと手間が加えられたネタが味わえる〈生寿司特選〉3,600円(夜のみ提供)。昼は〈寿司ランチ〉1,720円~

職人の船越大さん


帯広市西7条南19丁目1
北海道ホテル1F
Tel:0155・21・0001
営:11時30分~15時(LO1時間前)、17時~21時(LO1時間前)
休:水曜(8~9月は無休)



(4)石松 お得なランチもお薦め
 新得駅前にのれんを構える。寿司や和食はもちろん、ランチやテイクアウトメニューもどうぞ。

ランチの人気メニュー、〈生ちらしとうどんセット〉1,020円。日替わり定食もあり

大きな松の絵が目を引店内


新得町本通北1丁目2
Tel:0156・64・5328
営:11時30分~13時30分、17時~23時
休:日曜



(5)清寿司木野店 新鮮なネタに舌鼓
 気取らずに友人や家族と食事を楽しめる。いなり寿しも人気で、お土産にする人も多い。

店主が毎日心を込めて握る〈上生寿し〉1,760円。新鮮なネタが味わえる

明るい店内と気さくな接客が魅力


音更町木野大通東4丁目1
Tel:0155・31・0785
営:11時30分~21時
休:木曜



(6)源すし 家族で楽しむ本格派の寿司
 寿司はもちろんサイドメニューも充実。豊洲の仲卸業「やま幸」のマグロが味わえるのも、自慢の一つ。

地元や道産を中心にした魚介を使用する〈握り大関〉8貫1,760円

店主の池田圭吾さん


本別町北4丁目4-12
Tel:0156・22・2488
営:11時~13時、17時~23時
休:水曜



(7)寿し富 帯広で味わう江戸前寿司
 帯広で3代続く寿司店。気楽に立ち寄り、おいしい寿司を楽しんで。会合や宴会にもどうぞ。

旬のネタを使い、3代にわたって受け継がれてきた〈特上寿し〉3,520円

落ち着いた雰囲気の店内


帯広市西1条南10丁目4
アポロビル1F
Tel:0155・23・2586
営17時~23時
休:日曜、祝日

※フリーマガジン「Chai」2021年9月号より。
※撮影/辻 博希、長尾悦郎。写真の無断転用は禁じます。