きままなキミと、今年も(1)「愛と笑い詰め込んで。猫との日々、今年もカレンダーに」
なんちゃっ亭・梶谷夫妻と5匹
茶目っ気のある表情や、意気高らかに歩く姿。愛猫と暮らすひとコマを切り取った写真と、笑いを誘う一言を載せたカレンダーは、帯広でお好み焼き店「なんちゃっ亭」を営む梶谷聡さん、智子さん夫妻が毎年手掛ける。
大阪市出身の2人が北海道に移住したのは30年前。弟子屈町では大好きな馬を飼い、28年前にやって来た清水町でも、最初は馬との生活を楽しんでいた。しかし、馬舎の麦わらやネズミを求めて、次第に野良猫が居つくように。どの子もやせて病気持ち。「猫は嫌いな方だった」という聡さんも見かねて保護し、猫との生活が始まった。
今は5匹の猫、2頭の馬と暮らす。「狙わないのに笑かしてくれるのがまっちゃん。オトスケはへたれで〝永遠の小学1年生〞…」と、おもしろおかしい猫談議は尽きない。2006年からは、そんな毎日をブログにアップ。ユーモアと愛情に満ちた投稿が話題を呼び、カレンダーはファンの声を受けて、09年から作り始めた。
2022年のカレンダーは、ひよこデザイン(帯広)のNaomi kikuchiさんのイラストを交えて温かな雰囲気に。「でかっ」とコピーを付けた2匹は、かごからのぞくご満悦顔がキュート。各猫の紹介など毎年工夫を凝らす「おまけページ」もお楽しみに
「ねこ中心の生活です」
写真は智子さんが担当し、聡さんは〝笑える〞コピーを付ける。「急にはじまるんで~」(聡さん)というシャッターチャンスを逃すまいと、智子さんのそばには常にカメラ。1年間かけて3万枚以上撮影し、夏を過ぎるとカレンダーづくりに没頭。よくぞこの瞬間を…という写真と愉快な構成は、「楽しんでもらうため、頭をひねっています」というホスピタリティの賜物(たまもの)だ。一方で日々の記録からは、保護した命と向き合う夫妻の慈愛がにじむ。
道内外や海外からも注文があり、今年も1100部ほど刷った。売り上げはえさ代や病院代に消えるが、今やなくてはならない家族に「猫は心の隙間に入り込んできよる。猫中心の生活です」と話す聡さんは幸せそう。智子さんも「気配があるだけで安心感があります」。5匹に翻(ほん)ろうされつつも癒やされる毎日。2022年もカレンダーから、その愛おしい時間をお裾分けいただこう。
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<ブログ>
「馬とニャンコと男と女」
<なんちゃっ亭>
帯広市西16条南6丁目15-22
Tel:0155・34・7027
営:17時~21時
休:火・水曜
※フリーマガジン「Chai」2022年1月号より。
※撮影/辻 博希。写真の無断転用は禁じます。
きままなキミと今年も
くっついてきて甘えたかと思えば、おいでと呼んでもしらんぷり。独特な距離感で、自由奔放なキミに振り回される。そんな関係が、実はたまらない。もはや憧れすら感じてしまう。2022年、寅年。ネコ科が主役の一年も、きままなキミと、かけがえのない時間が過ごせますように。
※各記事は、取材時のみ特別にマスクを外して撮影しています。