十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

てくてく名店さんぽ(27)「魚道(うおみち)」

店内には西京みそで漬けた切り身やサバ、ホッケの干物など、自家製造の水産加工品が豊富に並ぶ。「気軽に寄って何でも聞いてください」。親しみやすい店主がおいしい食べ方や焼き方をアドバイスしてくれる

好みにも対応、街の魚屋さん
 魚さばきが苦手な若いお母さんから、仕事帰りに刺し身を求めるサラリーマンまで。街の魚屋さん「魚道」には、質のよい魚を求めて次々と客が訪れる。

 代表の能本博道さんは、帯広の能本水産(能本政弘社長)の先代の次男。市内の水産会社で27年間勤め、3年前に独立した。人気はサバやサメガレイなどの漬け魚、ホッケやソウハチといった干物、刺し身の盛り合わせだ。

 多くの食品が値上がりする中で魚も例外なく、「仕入れが大変」と話す能本さん。それでも丸魚で仕入れて干物や漬け魚を自社で製造し、極力安く提供する。昨年は干物専用の乾燥機も導入。温度や湿度、送風時間の管理が省け、年間を通じておいしい干物を提供できるようになった。

 年末に向けてタラが旬を迎える。「好みのサイズに切り売りもできます」という細やかな対応がうれしい。地方発送が増える時期でもあり、目利きに一層情熱が宿る。

干物は真空パックにすることで水分が抜けなくなり、家庭の冷凍庫でも長く保存が可能。贈り物としての価値が高まった

昨年導入した干物専用の乾燥機。それまでは扇風機を駆使していたが、安定した品質の干物が作れるようになった


<魚道>
帯広市西16条南4丁目7
Tel:0155・67・1180
営:10時~19時
休:水曜(火曜は不定)


てくてく名店さんぽ
帯広や十勝の町の名店を紹介する、Chaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2021年12月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。