2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

犬と暮らす(4)「愛犬との毎日がもっと楽しくなる らくらくトレーニング」

何気ない光景に見えますが、実はこの写真すごいんです。全員座って「まて」ができるので、スムーズに撮影できました

 本来ワンちゃんは、飼い主さんと新しいことを覚えるのが大好き。動物病院に行く時や災害時にも、基本的なしつけができていると安心です。おくやまドッグトレーニングの奥山直美さんに、しつけのコツを教わりました。

<しつけの前に確認! 飼い主さんの心得>
 「うちのコは覚えが悪いから…」と嘆くのはちょっと待って。もしかしたら、私たちの教え方や態度に問題があるのかも?

叱る前に理由を考える
 ワンちゃんを叱ってばかりだと「うるさい面倒な人」と判断され、ますます言うことを聞かなくなります。いけない行為をした時には、欲求不満を疑ってみましょう。家具をかむなら代わりにかんでも良いおもちゃを与え、落ち着きがない場合はもっと散歩や遊びの時間を設け、運動量を増やしてみて。要求を上手に満足させてあげることで、信頼関係が築けます。

しつけをあきらめない
 しつけは根気が必要です。人と同じようにすぐ覚える子もいれば、時間をかけて学習する子もいます。できないからといって、飼い主さんが先にあきらめないこと。とはいえワンちゃんの集中力は長く続きません。飽きたら休憩を取るなどして、楽しい気分で行うのがベスト。ちなみに子犬のほうがしつけやすいものの、成犬になってからのトレーニングも可能
です。

何度もご褒美を!
 成功の秘訣(ひけつ)はとにかく褒めること。しつけの際にご褒美のおやつは欠かせません。ご褒美が少なすぎるために、トレーニングがうまくいかない場合も。食べ過ぎが気になるなら、小さくちぎって与えましょう。ワンちゃんは量が多いことより回数が多い方を好みます。ヘルシーなおやつを選んだり、夕ご飯を減らしたりして調整するのも良いでしょう。

写真右から講師の奥山直美さんとジャッキー(右)&ジヴァ、教室のメンバー大島亜希子さんとプルート、高橋征子さんと花(右)&春。「楽しく安全なトレーニングで、ワンちゃんも人もコミュニケーション力アップ!」と奥山さん


STEP1 ワンちゃんの健康長寿にもつながる! 日常生活のトレーニング
口内の健康を守り、通院時も役立つ

歯磨きのトレーニング
口の周りを触って少しでも我慢できたら、褒めておやつを与える。一定の間我慢できるようになった後、マズル(口周りから鼻先にかけて)を包むように触れ、さらに褒めながら歯茎、歯へと少しずつ口の中に手を入れていく。問題なければ、まず歯ブラシを見せてみる。慣れてきたら歯ブラシで口の外をマッサージしておやつ、歯ブラシを口の中に入れたらおやつ、と「歯磨き」まで進む。

歯磨きのトレーニング


日常生活のストレスを軽減
ドライヤーに慣れる

ドライヤーを見せ、吠えたりしなければ褒めて餌をあげる。慣れてきたら1~2秒音を出し、おとなしくできたら餌を与える。音を出す時間を少しずつ延ばし、その都度餌を与えて褒める。できるようになったら、犬と距離を取ってドライヤーの風を当ててみる。同様に1~2秒風を当てて餌…というように、時間を延ばす。

ドライヤーに慣れる


STEP2 愛犬との絆を深める 基本のトレーニング
はぐれた時にも心強い!「おいで」
 「おいで」と声をかけながら餌を見せ、近づいてきたら褒める。脇見をせずに近づいてきたことを確認しながら、少しずつ距離を延ばしていく。

おいで(1)


 ある程度の距離でできるようになったら、2人でトレーニングするのも良い。ワンちゃんを挟むように二手に分かれ、片方が「おいで」と呼びかける。指示通りにワンちゃんが来たら褒め、次は向かい側の人が「おいで」と指示を出す。

おいで(2)


ドッグカフェデビューの前に「おすわり」
「おすわり」と声をかけ、頭上に餌をかざす。自然とワンちゃんのお尻が地面に付き、スムーズにおすわりができる。うまくできたら餌を与えて、良く褒めること。飼い主の正面だけでなく、左右や後方でもトレーニングしておく。

おすわり


いざという時に身を守ります「まて」
ワンちゃんをトレーニングボード(無い場合は段ボールやベンチで高さを作る)に乗せる。「まて」と言いながら後ずさり、ワンちゃんがボードの上でじっとしていたら餌を与えて褒める。降りてしまったらまた乗せて褒める、を繰り返す。そうして少しずつ距離を延ばしていく。

まて


<おくやまドッグトレーニング> 
芽室町西士狩北8線24-15
Tel:090・1815・4906
HP:http://discdoger.jp/
※基本的なしつけのほか、ドッグダンス、ディスクドッグ、セラピードッグなどさまざまなメニューを用意。予約制なので、参加したい人は事前に電話で連絡を。

※フリーマガジン「Chai」2020年9月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。