十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年5月号

特集/はさんでおいしいLet'sサンド!

てくてく名店さんぽ(1)「京屋呉服店」

華やかな振り袖が並ぶ店内。中央が宮本さん。先代から3代目を支えてきたベテランの小林恵子さん(左)や宮原ひとみさん(右)ら従業員も着物選びの強い味方

着物と写真でハタチを彩る
 帯広・広小路の中ほどにある京屋呉服店。かつてまちなかに点在していた呉服屋が次々と姿を消す中、74年間のれんを守り続ける。

 一般呉服や振り袖を扱い、振り袖は約600~700枚がそろう。品数はもちろんだが、特記すべきは今年3代目となった宮本征和さんのこと。「振り袖写真家」の肩書きを持ち、来客の前撮りを自ら担当するのだ。2013年には店舗2階に写真スタジオ、2年前には1階に古美術品をそろえたアンティークなスタジオも開設。まちなかや神社など“生まれ育った街”での撮影もかなえてくれる。

 祖父が写真家で、もともと写真を撮るのが好きだったそう。「着物のアドバイスだけでなく、大人としての一歩を踏み出す瞬間が最高の思い出になるようよりお手伝いしたくて」。この寄り添う気持ちに引かれて、足を運ぶのだ。

ヘアメイクを施すパウダールーム。着付けから前撮りまで店内で行う

アンティーク家具が並ぶ写真スタジオは自然光が入り、人物の美しさを引き出す


<京屋呉服店>
帯広市西1条南9丁目2-4
Tel:0155・25・3537
営:10時~19時
休:元日



てくてく名店さんぽ
帯広や十勝の町の名店を紹介する、Chaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2019年10月号より。
※写真/辰巳勲。写真の無断転用は禁じます。