2024年4月号

特集/ときめきのプリン&愛しのシュークリーム

てくてく名店さんぽ(4)「髙田東洋堂」

9年後の創業100周年を控え、気持ちを引き締める高田浩司さん(右)と康平さん。康平さんは、はんこ作りの専門学校、神奈川県印章高等訓練校で技術を学んだ

心込めて彫る一生ものの印鑑
 「印鑑は自分の分身です」と話すのは、印鑑製造・販売を手掛ける高田東洋堂代表取締役・髙田浩司さんだ。さまざまな証明に押印すると、それは「了解した」のサイン。だからこそ、心を込めて彫るという。

 浩司さんの祖父・高田直明さんが1928年(昭和3)年帯市内で創業した。手彫りの技術と丁寧な接客で顧客を広げ現在は2年前に1級印章彫刻技能士を取得した長男・康平さんが彫刻を担当する。「私は不器用なので…」と笑う浩司さんは、より時代に合った店づくりを目指し営業活動に奔走して動いる。

 注文を受けた印鑑は、感謝の気持ちや印鑑に込められ意味を記した浩司さんの手書きのカードを添える。「一生使うものなので大切にしてほしい。こからも地域に恩返をしたい。」〝分身〞を思って彫られた生きた印鑑は、使うほどに幸が訪れそうだ。

複数の印刀を使い分ける手彫りは、文字のバランスも自在。美しさや躍動感が加わる

実印や銀行印、認印といった各印鑑は、黒水牛など9種類の素材で作る。奥は浩司さんがつづったカード


<高田東洋堂>
帯広市西5条南12丁目6
Tel:0155・25・5522
営:9時~18時
休:年末年始


写真/辰巳 勲

てくてく名店さんぽ
帯広や十勝の町の名店を紹介する、Chaiの連載です。

※フリーマガジン「Chai」2020年1月号より。
※撮影/辰巳 勲。写真の無断転用は禁じます。