十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

居心地のいい部屋(4)「DIYで作る理想の家具」

 好みの家具を探すのは難しい。そんなときは、手作り家具で理想の部屋をかなえよう。身近な材料で作るのもいいけれど、職人の手ほどきを受けると本格的な家具作りも夢じゃない! 帯広市内の遠藤木工にお邪魔しました。

どんな家具にする? イメージを伝えよう
 作業日前に、まずは打ち合わせ。ソファに座りながらカップや本に手が伸ばせるように、ソファ横に置くスツールをお願いすることにした。イメージを伝えると、使う場所やシーンについて質問を重ねる社長の遠藤丈さん。「どんな姿勢で飲み物を飲みますか? 生活スタイルによって家具のサイズや仕様は変わります」。答えていくうちに、ぼんやりとしたイメージが少しずつ形に。何とも楽しい時間だ。

<教えてくれた人>
遠藤木工・工場長の渡辺英宜さん(右)

「この道46年!」という家具や建具製作のプロ。迷惑を掛けないように頑張ります!(Chai編集部 やま)

「こんな感じに」と持参したスツールの写真

 自宅に戻って他の家具とのバランスを考えながら寸法を想像し、今回は天板が40㎝四方、高さ50㎝のサイズに決定。木材は、経年であめ色に変化するというブラックチェリー材に。木工作業は中学校の授業以来だったこともあり、期待感と少しの不安を抱きながら当日を迎えた。


STEP1 木材を切る
 工場内のさまざまな機械で木材を切る。脚部分は、板を割ったあとに厚みや幅を決め、自動かんなで各面が直角になるように整えた。各木材を接続する加工「ほぞ」や「ほぞ穴」も専用機械を通すとあっという間に完成! 寸分の狂いなく設計した匠の技と機械のパワーは圧巻。

「ほぞ接ぎ」は、ねじを使わずに2つの木材部品を凹凸で接続する方法のひとつ。これは凸部分となる「ほぞ」

パーツが完成


STEP2 表面を整える
 脚底部分にアジャスターを付ける。かんなを使って木材の角部分の面を取ったら、サンドペーパー(紙やすり)で表面を整えた。どちらも「木の繊維の向きに合わせた柾目(まさめ)で行うことが大切です」と渡辺さん。同じく天板の表面もなめらかに。


STEP3 組み立てる
 ほぞ穴にのりを塗って、金づちでたたきながらほぞ部分と接続する。脚が組みあがったら、天板を載せる接触部分を丁寧に平らに整えた。次に、差し金を使って天板を置く位置を決め、のりを塗ってねじで固定。初の電動ドライバーは恐る恐る…。少しずつスツールの形が見えてきた!


STEP4 仕上げる
 いよいよ仕上げへ。はみ出したのりを拭き取ったら、木材の変質を防いでつやを出す塗料「クリアラッカー」を全体に塗る。これも柾目に沿って行うことが大事。ラッカーを塗って目の細かなサンドペーパーで研磨すること数回、うっとりするほどスベスベの木肌に。


出来上がり!
 想像以上の仕上がりに大満足♪ ソファ横以外でも、キッチンでの作業台やコーナーテーブル、腰かけなど幅広く使えそう。何より自分で手掛けた愛着ある家具は、部屋で過ごす時間を豊かにしてくれるはず。さて、次は何を作ろうかな?
※今回のスツールは、材質によって15,000円~ 35,000円(税別)。

こんな道具を使いました♪
差し金やドライバー、かんななど、さまざまな道具を使うことで作業が正確&スムーズに


取材協力/遠藤木工
帯広市東10条南17丁目2
Tel:0155・23・9672
営:10時~17時
休:土・日曜
オーダーメードの家具や木製建具などを製作している。同社を会場にした個人によるDIYの申し込みも受け付け中。日時などは応相談。不定期でDIY教室も開催している。問い合わせなど詳細はHP(http://enmoku.com)へ。


※フリーマガジン「Chai」2020年5月号より。
※撮影/辻 博希。写真の無断転用は禁じます。

居心地のいい部屋

春からの新生活で疲れたときは、お気に入りの部屋で充電しよう。インテリアの色使いや明かりによる演出、気の利いた雑貨など、ちょっとしたポイントを押さえるだけで、あなたの部屋が心地いい空間に変わるはず。

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