十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2025年1月号

特集/今食べたい 冬の鍋

本日、寿司気分(7)「港町で発見!一流の江戸前寿司~鮨処 翼」

人気の〈上にぎり〉2,365円。寿司には椀物、選べるデザート(写真は広尾の大納言ようかん)が付く。季節ごとにネタは変わり、この日は広尾町のホッキ貝やバフンウニ、活締めのマツカワなど

 カウンターで手際よく寿司を握るのが店主の関口清さん。「お寿司はね、握ってすぐの状態が一番おいしいよ」と気さくに薦めてくれる。そのアドバイス通り寿司を口へ運ぶと、魚介のうま味が広がり、シャリはいいあんばいにほどけていく。あぁ、寿司はかくあるべし。

 神奈川県出身の関口さんは、10代の頃から寿司職人として腕を磨き、12年前、妻・優子さんの父親から引き継いだ広尾町の民家で寿司屋を開いた。以来ネタにひと手間加えた江戸前の寿司で、訪れる客をもてなしている。

 それにしても、関口さんのこだわりは半端じゃない。地元産を中心に、吟味した食材を使うのは序の口、しょうゆまで手作りするというから徹底している。「一度食べると、うちの寿司のおいしさが記憶されちゃうみたい」と、笑う関口さん。こうして″翼の味"に魅せられた客がまた一人、のれんをくぐる―。

ランチ5食限定の〈ランチ1.5人前〉1,870円。取材日は地元産のムキガレイ、イカ、タコのほか、豊洲から取り寄せた赤身など、充実のラインアップ

カウンター席があるものの、民家をほぼそのまま利用した店内。親戚宅に訪れたような気分でくつろげる

寿司屋の激戦区で研さんを積んだ関口さん。妻の優子さんとの息の合った接客にも和まされる

のぼり旗が無ければ、一般の住宅と見間違う。住宅街にひっそり建っているので、見逃さないように


<Data>
鮨処 翼
広尾町公園通南3丁目2-5
Tel:01558・2・0141
営:11時~14時、17時~ネタが無くなり次第終了
休:不定(ネタの状況による)
※ランチの提供は平日のみ

※フリーマガジン「Chai」2021年9月号より。
※撮影/辻 博希。写真の無断転用は禁じます。