心温まる贈り物(5)真心伝わる包装紙 鈴木商店のワインギフト
オリジナルの包装紙は、店の名刺代わり。そのデザインを目にするだけで、店内の様子が自然と思い浮かぶ。帯広市内にある小さなワインショップ・鈴木商店の包装紙も、店のコンセプトを伝える大切な存在。色鉛筆で描かれたブドウやレモンのイラストが印象的で、洗練されたショップの雰囲気にぴったりだ。
同店は2023年、鈴木利夫さんと妻の志織さんでオープン。藤丸のワイン売り場に勤めていた志織さんは、その閉店を機に「お客さまが贈答品で困らないための場所を」と一念発起。じっくり商品を選べる、隠れ家的な空間を作り上げた。
藤丸で接客の経験を積んだ志織さんだけに、ラッピングへの思いは人一倍。「百貨店ロゴが付いた包装紙は、高級感や安心感を与えます。自分の店でもそんな1枚を用意しくて」。自らイラストを描き、利夫さんと親交があるデザイナーにアレンジを依頼。フォーマル感があり、温もりも感じる包装紙を目指した。
イラストは大き過ぎず小さ過ぎず、上品な印象に見えるサイズへ。包み方によって歪みが生まれないよう、配置まで考え抜かれている。紙質も吟味し、手触りはもちろん包みやすさにもこだわった。2人の思いが詰まった包装紙を、ブックカバーにしたり手帳に貼ったりして、大切に使う客も多いという。利夫さんと志織さんは「店とともに、長く親しんでもらえれば」とほほ笑む。
開ける前から心躍る、鈴木商店のギフト。唯一無二の包装紙が、その期待値を上げているのは間違いない。
【Shop】
鈴木商店
帯広市西19条南2丁目23-1・1F
Tel:050・8885・9790
営:13時~19時(日曜、祝日は11時~18時)
休:火曜、不定水曜
Instagram:suzuki.wine
ひと手間でグレードアップ!ちょい足しラッピング
不器用さんでも失敗知らずのアイデアを紹介!
1.季節の飾りを用意
今の時季であればクリスマスらしい飾りを一つ加えるだけで、お店でラッピングしたような印象に。100円ショップでもすてきなものが手に入ります。
2.シールを活用しよう
包装紙をセロテープで留めてしまうと、あか抜けない印象に。かわいいマスキングテープやシールに代えるだけで、プロ仕様に変身!
3.リボンでひと工夫
シックなアースカラーのリボンを選ぶと、洗練された雰囲気に完成します。結ぶのが苦手なら、2色のリボンをまとめて固定するだけでもかわいい。
【Column】
郷土愛あふれる!十勝のご当地包装紙
十勝をモチーフにしたかわいい包装紙。その土地の空気まで届けます。
陸別町 道の駅 オーロラタウン93 りくべつ
イラストは当時地域おこし協力隊員だった日向優さん(現・種を育てる研究所代表)が作成。元はクリアファイル用に描いた作品だったという。ご当地キャラのしばれ君とつららちゃんを探すのも楽しい。
陸別町陸別原野基線69-1(オーロラタウン93内)
Tel:0156・27・2012
あしょろ観光協会
長年使われていたのは、風景や特産品の写真入り包装紙。約20年前に北海道自然遺産「らわんブキ」のイラストを描いた、現在のスタイルに生まれ変わった。シンプルで飽きのこないデザインが好評。
足寄町北1条1丁目3(道の駅あしょろ 銀河ホール21)
Tel:0156・25・6131
幕別町観光物産協会
幕別町観光物産協会会員のみが使用できる包装紙。パークゴルフやユリ根のイラストが同町らしさを演出する。同じ絵柄のエコバックは、同町プロモーションのイベントなどで登場する希少品。
幕別町役場 経済部商工観光課(幕別町観光物産協会事務局)
幕別町本町130
Tel:0155・54・6606
道の駅しかおい
2017年、絵画を趣味にしていた鹿追町の農業実習生が、縁あって包装紙のデザインを担当。同町の名産であるチョウザメのほか、ナキウサギ、牛、牧草ロールなどがにぎやかに散りばめられている。
鹿追町東町3丁目2-2
Tel:0156・66・1125
※フリーマガジン「Chai」2025年12月号より。
※撮影/清田千裕。写真の無断転用は禁じます。
心温まる贈り物
年末は贈り物にまつわるイベントが目白押し。言葉では伝えきれない思いを厳選した一品に込めて大切なあの人に贈ってみては。


















