十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2025年7月号

特集/夏本番!旨辛メニュー

夏本番!旨辛メニュー(2)「山わさび~十勝六花フィールド」

ツンと鼻に抜ける辛さがたまらない♪

上品な辛さを添える名脇役
<山わさび>
 山わさびの辛みは、和食の味わいを一層引き立てます。栽培する十勝六花フィールドで、山わさびの特徴やアレンジ法について伺いました。

 6人の畑作農家らが集まり、2021年に設立した十勝六花フィールド。小麦、大豆、ナガイモなどそれぞれの得意分野を活かしながら、10種類以上の作物を協働で栽培する。なかでも山わさび販売の中心を担うのが副代表の吉田岳大さん。「池田はいけだ牛や黒豚など肉が盛ん。肉に合う特産品になるのでは」と約20年前から山わさびの栽培を開始。贈答品やイベントでの販売が評判となり、現在の〈ケナシバ山わさび〉として定着した。

 同社で作る山わさびは、苗植えや雑草処理などもほとんどが手作業。「山わさびは栽培する土壌を選ばず、生命力が強い。所有する約200haの土地のうち生産は約1%でも、管理するのが大変なんです」。輪作を行うため、取り残しがあると次年度に植える作物に影響。地中深くに張った根を残さないように収穫時には細心の注意を払う。

 口に入れるとツンと鼻に抜ける辛さもしっかり感じるが、驚くほどにマイルドな口当たり。60度程度まで加熱すると辛味が飛んでしまうといい、「やっぱりすりたてが一番」と吉田さん。「マヨネーズに山わさびを混ぜて作るわさびマヨは焼きそばに。たたいた梅に、山わさびとしょうゆ、かつお節を載せるとお酒のあてにも」。その味わいは一度食べるとクセになる。

一つ一つ丁寧に手作業。4月末~5月に種をまき、10月末~11月に収穫する。旬の時期はなく、1年を通しておいしくいただける

今年4月に植えた山わさびの新芽。畑がある大森地区のアイヌ語表記「ケナシバ」からとり、〈ケナシバ山わさび〉と命名された

十勝六花フィールド取締役副代表の吉田さん。実家の農家を継ぐまでは、医療機器の営業職を7年ほど経験。町の魅力を発信する「十勝いけだ屋」にも所属する


風味が豊か!


使いきれなかった山わさびはすべて皮をむき、冷凍保存を。凍ったまますると風味が消えず、半年ほどは風味を保つ。山わさびはAコープ高島店(池田)で購入可能

<十勝六花フィールド>
池田町大森221-3
問い合わせ:JA十勝池田町 農産部農産課
Tel:015・572・4860

※フリーマガジン「Chai」2025年7月号より。
※撮影/辰巳勲。写真の無断転用は禁じます。