十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年11月号

特集/レトロかわいい十勝

酒場をめぐる冒険(6)「帯広住宅街の気になる店~愁、野の花」

〈刺身盛り合わせ〉の内容は日替わりで、1人前1,000円前後。取材時は大トロ、金目鯛、マツカワなど6点が並んだ(写真は2人前)

中心部から少し離れて 帯広住宅街の気になる店
 ひっそり営業しているのに、にぎわいが絶えない居酒屋。勇気を出して扉を開けば、心地良いひとときが待っています。

地元素材のおいしさ広がる
創作居酒屋 愁

 住宅街にひっそり建っているため、偶然見つけた人はラッキー。分かりにくい立地にもかかわらず地元で約30年間支持されているのは、魅力あふれる店ゆえ。

 創作料理を通じ、地元食材の素晴らしさを伝えるのが代表の濵名秀樹さん。「多くのメニューは、人との出会いから生まれました」と胸を張る。食材の良さはもちろん、手ごろな値段設定にもこだわり、自ら交渉や買い付けを行う。刻んだエビを食パンで挟んで揚げた〈海老パン〉など、オリジナルメニューも豊富。試したい料理は尽きない。

カリカリの食感で人気の〈海老パン〉600円には、刻んだネギとエビのすり身がたっぷり

民家に紛れてたたずんでおり、時折迷う客がいるほどの隠れ家


帯広市西17条南4丁目1
Tel:0155・34・0307
営:18時~23時 
休:10・20・30日(0の付く日)



右上から時計周りに、塩のみで味付けた〈牛タンのやわらか煮〉850円、スイートチリソースとゴマだれでいただく〈生春巻〉550円、テイクアウトする客も多い人気メニュー〈牛すじとホルモン煮込〉750円


愛情込めたメニューに舌鼓
いざかや 野の花

 地元食材を使った料理で、地域に愛される店。豊富にそろうメニューからは、「家族や友達で楽しく過ごしてほしい」という、店主・小野敦さんのサービス精神が感じられる。

 自店を開く前は、日本料理店などで修業していた小野さん。「あくまでも家庭的な味」と言うが、どの料理にも細やかな仕事が感じられる。人気の〈牛すじとホルモン煮込〉一つとっても、和風だしと牛すじのうま味が具材に染み込んでおり、体にじわりと染み入るおいしさだ。手間暇かけたメニューをじっくり味わおう。

丁寧に仕込んだ料理を提供する小野さん。リーズナブルな価格を心掛け量も惜しまない

芽室町で開店し、13年前に今の場所へ移転オープン。今年の5月で20周年を迎えた


帯広市西24条南2丁目20-9
Tel:0155・37・3653
営:18時~23時30分(金・土曜は~24時、日曜は17時30分~23時)
休:不定

※フリーマガジン「Chai」2024年6月号より。
※撮影/辰巳勲、平栗玲香。写真の無断転用は禁じます。