十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2025年1月号

特集/今食べたい 冬の鍋

【シニア】光を十分浴びた人生 文豪ゲーテ

 「わしのような患者が目の前にいたら、少々ナポレオンみたいに仕事にかかりたまえ」。何を言っているのかよく分からないが、74歳のゲーテは手術を前に、医師にこう食ってかかった。病名は心筋梗塞。初めて死を意識した瞬間である。

 ゲーテといえば、24歳の時に書いた小説「若きウェルテルの悩み」でミリオンセラーを放ち、世界を驚かせた。戯曲家であり、小説家であり、そしてまた科学者でもあったゲーテ。ワイマー