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「アイヌのこと教えるな」 心変わりの母の刺しゅう

高田 英俊

十勝毎日新聞社 編集局整理部

木曜の夜の灯 エテケからの巣立ち 第6回
 とかちエテケカンパの会に3人の子供を通わせていた高田絹代さんが今春、80歳で亡くなった。アイヌへの差別や偏見が強かった時代を経験したこの母親は、会を立ち上げた事務局長、芦澤満さん(56)らに「子供たちに勉強は教えても、アイヌのことは伝えるな、教えるな」と何度も繰り返していた。だがいつしか心変わりし、多くの人にアイヌ刺しゅうを伝承する後半生を送った。