十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年6月号

特集/酒場をめぐる冒険

おさんぽ日和。(4)「国見山自然観察教育林」

展望台コースを歩く。山は外国樹種含む人口林と市近郊では少ない天然林から成り、植生変化も面白い

身近な国有林で学ぶ
 木々がざわめき、鳥がさえずる。音更と芽室両町にまたがる国見山。帯広市中心部からわずか10kmの場所に、豊かな自然が残っていることに驚く。

 4つの散策路のうち、「展望台コース」から「外国の森コース」(全約2・8km)をめぐった。まず入り口で「入林届」に記入。山歩きの気分が上がる。

 すぐに上りとなるが、数少ないカシワの天然木の他、ナラやトドマツなどの木々に囲まれた道は爽快! 主要な木には名前を記した表示板もあり、一人歩きでも学びが多い。草花を眺め、キビタキといった野鳥の声に耳を澄まして進むと、あっという間に展望台(標高127・99m)着いた。

 植物230種、昆虫類450種、鳥類30種などが生息。付近はかつて広大な湿地で、特有の堆積層が十勝川や然別川などの浸食で台形状に削り取られて残った場所だという。季節の変化も楽しそうだ。さて、次はどのコースを歩こうか。

森林帯は約66haに及ぶ。入林届はしっかり記入しよう

ユリ科のツバメオモトに出合えた

木々の表示板。材木用途が書いてあるものも

山頂からは芽室や帯広の市街地を見下ろせる


「国見山」の由来
諸説あるが、十勝開拓の祖とされる依田勉三、渡邊勝、鈴木銃太郎の3氏が山に集まり、広大な十勝平野を見て開拓の情熱を燃やして「国見山」と名付けたと言われている。アイヌ語では、「豊かな食糧をもたらしてくれる場所」という意味の「オソルシ山」。


河西郡芽室町西士狩北5線(入林口) 芽室駅から車で15分。駐車場あり
問:北海道森林管理局十勝西部森林管理署
(Tel:0155・24・6118)


※フリーマガジン「Chai」2018年7月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。