十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年6月号

特集/酒場をめぐる冒険

おさんぽ日和。(3)「帯広市野草園」

四季折々の景色が見られる野草園。園内の管理棟に立ち寄れば、見どころを教えてもらえる

草花が教えてくれる、季節の移ろい 
 野草園の扉から一歩先は、植物や動物が主役の“別世界”。生命力あふれる草木が枝葉を伸ばし、野鳥やリスたちが自由気ままに園内を駆けめぐる。

 帯広市野草園は野草を保存し、市民が自然に親しむことを目的として1958(昭和33)年に開園。約4万3530㎡もの敷地に82科、380種ほどの植物が息づく。雪解けが始まる春から紅葉を迎える秋まで、季節ごとに多彩な景色が広がっている。

 種が落ちてから花が咲くまで何十年もかかるバイケイソウ、コウモリの羽にそっくりな葉を付けるヨブスマソウ…。管理人・石田靖雄さんの説明を受けながら歩くと、何気なくそこにある野草にも、宝物を発見したような感動を覚える。

 野草だけが育つ庭は全国的にも珍しく、全国から客が訪れるという。身近に豊かな緑があることに感謝しつつ、散策を満喫したい。

エゾカンゾウは夏に見られるかれんな花。ユリ科の植物で大きな黄色の花を付ける

5月末に咲いていたクルマバツクバネソウ。風車のように開いた緑色の花びらがユニーク

野鳥やリスなど、動物たちの保護に努めている同園。取材中も愛らしいリスの姿が見られた

野草園の管理人歴13年という石田さん。かつて中学校の理科教師だった経験を生かし、わかりやすく説明してくれる


「帯広市野草園の花」作品展の出展者を募集
8月に開催される作品展に向けて、野草園に咲いている花の写真と絵手紙を募集。募集期間は7月24日(火)~8月15日(水)まで。詳細は帯広市児童会館(Tel:0155・24・2434、担当小林)へ。
第31回「帯広市野草園の花」作品展
開催日:8月27日(月)~8月31日(金)
時間:9時~17時(最終日は16時30分まで)
場所:帯広市役所(帯広市西5条南7丁目1)1F 市民ホール


帯広市緑ヶ丘2番地(緑ヶ丘公園内) 
Tel:0155・24・2434
開園時間:9時~16時30分(開園期間は4月29日~10月31日、期間中は無休)
入園料:無料


※フリーマガジン「Chai」2018年7月号より。
※撮影/辻博希。写真の無断転用は禁じます。