十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年12月号

特集/新店でめぐる2024年

妊婦生活を楽しもう~おばちゃん助産師の子育てエール(19)

来月以降に出産を控え、リラックスした状態で筆者(左)の話を聞く妊婦たち(音更町お母さん教室)

 こんにちは。十勝の子育て応援団、おばちゃん助産師の中山です。

 妊娠中は、予期せぬ体の不調や精神の不安定さに悩まされます。「妊娠して幸せだけど、けっこうしんどい」。多くのママ達の声です。

 「妊娠=幸せ」の気持ちとは裏腹に、つわりや立ちくらみ、眠気などで「想像していた妊婦生活と違う」と感じることが多いのです。妊娠期の不調は期間限定なので、少しでも楽に過ごせるように工夫していきましょう。「ぐーたら」してもOKなので「きちんとしよう」と思わず、のんびり休息することもお勧めです。

 厄介なのは、しんどさを感じる内容が変化していくことです。つわりが終わり体調が良くなると、気になるのが体重です。「やっと食べれるようになったのに」「猛暑の中でもアイスを気軽に食べられない」と、気分は悲劇のヒロインになります。「体重増加=アイス禁止」と決めつけて悲しい気持ちになるより、アイス1個で感じる幸せを大事にしていいのです。気になるようなら、カロリー低めを選ぶなどの工夫をしましょう。

 切迫早産傾向のママは「何もできない」と嘆くのではなく「できる範囲でどう楽しむか」を考えましょう。

 ママの気持ちの変化で、お腹の赤ちゃんは一喜一憂しています。例えばママがおいしいご飯を食べて幸せを感じると赤ちゃんも笑顔になり、嫌いな物を食べると顔をゆがませることがエコーで確認されています。

 だからこそ妊婦生活を楽しんで、ママも赤ちゃんも笑顔で過ごしてほしいのです。特別なことをしなくても、パートナーとゆっくりお茶を飲んだり、ボーっとしてリラックスするだけでも楽しい時間です。ママが幸せを感じると、赤ちゃんも幸せを感じてお腹の中で笑顔になります。

 赤ちゃんと一心同体の妊婦生活は、今しかできません。全力で楽しみましょう。

<なかやま・ゆかり>
 1961年富山県生まれ。84年から帯広厚生病院、公立芽室病院などで助産師として勤務。2018年に退職。現在は、十勝管内で講演会や子育て相談、お母さん教室、母乳相談、産前産後ケアなどを行う。62歳。

中山由香里さん