山レポート
旭岳
9月5日、「神々の遊ぶ庭」(カムイミンタラ)とアイヌの人々が親しみを込めて呼ぶ大雪山の代表的な名峰であり、北海道最高峰の旭岳(2291メートル)の頂上を目指した。
天気はあいにくの曇り空。道中は雨もちらついていたが、麓に近づくにつれ次第にガスは薄れてきた。
旭岳ロープウェイに乗り込み空中散策を楽しんで一気に標高1600メートルの5合目へ。
ロープウェイの終点から少し進むと、「姿見の池」に出くわす。水面には雄大な旭岳が映っている。
岩場では足を滑らせないよう注意しながら前へと進み、雲海を背にさらに標高を稼いでいく。
およそ2時間で頂上に到着。他の山々はほとんど雲に覆われ、見える山々も眼下に望むようで、旭岳の高さを実感した。
北方にかすかに見えるのは安足間岳、東方向には御鉢平の山々と烏帽子岳。南と西側は雲が迫り景色は見えなかったが、開放的な空間に非日常の世界を全身で体感した。
下りは約1時間半。ロープウェイからは山中でエゾシカを見つけ、カムイ(動物)が遊ぶ姿を眺めながら旭岳を後にした。
(文、写真:藤島諒司)