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ムカエニキタヨ



 「ムカエニキタヨ」。南極観測船「しらせ」が接岸した際にマストに掲げられていた国際信号旗を読むとこのようになっていたという。しかし、私は濃霧のため確認できなかった。

 国際信号旗は海上の通信に利用される世界共通の旗。旗には一つずつアルファベットがふってあり、接岸時は14枚の旗で表示されていた。

 もともと、1枚だけでも特定の意味がある。大山亮隊員によると、ご安航を祈るという意味は「UW」の2文字で表わされ、よく見かけるという。

 約2週間「しらせ」を離れた私でも船体を見ると懐かしく思えた。隣にいた越冬隊員はどういう気持ちで接岸を見ていたのだろうか。


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