タグ南極観測船しらせ

時刻整合を行う

自室にあるスピーカ

自室にあるスピーカ



 最大7時間あった日本との時差も8日で2時間に縮まった。昭和基地で生活している期間はマイナス6時間だったので、朝起きた時には日本がちょうど昼だった。これから船はシドニーに向かっているので、最終的な時差はプラス2時間まで変わることになる。(※時間はオーストラリアのサマータイムを考慮)
「しらせ」船内では時刻帯変更の告知が夜の巡検終了後に放送される。日をまたぐ際に1時間だけ調整するが、翌朝には必ず時刻整合のアナウンスがある。

 朝の艦内では以下のような放送が流れる。
 「0745(マルナナヨンゴウ)に時刻整合を行う。1分前」、「30秒前」、「15秒前」、「5秒前」、「よーい、時間!」、「0745G(ゴルフ)」。今は豪観測隊が船内にいるので、英語で「30second」「15second」、「5second」「ready、time 0745」となっていた。

 「よーい、時間!」の瞬間に時計の秒針をゼロに合わせることで正確な時刻になる。この「よーい、時間!」という威勢のいい声が私は好きだ。ちなみに時刻の後に放送されるアルファベットは時刻帯を示している。標準時より近い順番にA(アルファ)、B(ブラボー)、C(チャーリー)…などだ。

 往路は西に移動していたので、時刻変更で時間が増えて「寝られる時間が増える」と喜んでいたが、帰りはどんどん一日の時間が短くなっていく。

 昭和基地での生活が夢のようになっている今、時刻帯変更はまるで浦島太郎の玉手箱を開けている感覚だ。

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