タグ南極観測船しらせ
平均風速約30メートルのブリザードの中で7日、ケープダンレー沖で海洋観測が行われていた。
船尾の観測甲板では、自動的に深さによる塩分や温度変化を調べるXCTDと呼ばれる測定機器を海中に投入する作業が行われていた。海底地形調査もあわせて行い、同沖の海洋循環の監視をしている。
同沖は南極の中でも海氷の生成が大きい領域として知られている。南極では海水が凍る際に、氷が塩分を吐き出す。そこでできた低温で高塩の重たい海水は深層に沈み込んで地球規模で循環している。南極の深層水の生成量や循環自体が変わると、気候が大きく変化する可能性もあり、分析が課題となっているという。
作業を撮影するために出ると、甲板には雪が積もっていた。滑りやすく安全帯なしでは危険だった。その後、船体の揺れも大きいので艦橋に行くと、大きな波が船首に当たるたびに視界が利かなくなるような水しぶきが上がっていた。間違いなく私が乗船している期間で一番の高波だ。