十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2025年7月号

特集/夏本番!旨辛メニュー

みんなの好きなパン(4)「子どもたちに笑顔を届けるパン~林製パン工場」

 学校給食や購買などでおなじみの林製パン工場。作ったパンが子どもたちに届くまでを追いました。

お邪魔したのはこちら!


 世代を問わず「懐かしい!」とつい口に出してしまうほど、「コルバ」のパンは十勝っ子にとって慣れ親しんだ味だ。現在、小・中学校の学校給食は1市8町、高校の購買は7校、さらに市内の幼稚園などにもパンを届けている。「大体毎日8000〜9000個は作っているかな」と代表の林隆義さん。そのほか帯広北高校では、学食も運営し学生たちの昼を支え続けている。

給食パンと同時並行で購買・店舗用のパンも製作。卵液を塗りツヤ出しするひと手間もすべて大事な工程


 パン工場の朝は早く、日が出る前の3時頃から作業を開始し、8時前後にはその日の給食パンを出荷。休む間もなく購買や店舗用の菓子パンを作り、翌日分のパンや具材の仕込みなどを始める。「時間の遅れや欠品は許されない」と毎日スタッフは身の引き締まる思いで作業にあたる。成形、発酵、焼き上げ、包装と決して少なくはない工程を基本6・7人で回すというから驚く。

梱包する前は必ずすべて手作業で一つ一つチェック。「どんなに小さな傷も見逃してはいけない」と職人たちの目が光る


 2006(平成18)年からは、「なるべく地物を使いたい」と大正や川西などの十勝産小麦を使用。材料の一部を先に発酵させ、後から残りの生地を混ぜ合わせる「中種法」を用いて一般的な製法より発酵時間を長く取る。おかげで時間が経ってもふわふわで軟らかい食感が継続する。

給食パンは200℃で約10分、菓子パンは180℃で約8分焼く。一段に6枚の天板が載り、計8段ある大型機械で焼き上げる


 子どもたちの元へ当たり前のように安心安全なパンを届ける。今日も暗い時間から工場の明かりは灯り、パン職人たちが子どもたちの笑顔のために一生懸命パンを作り続ける。



購買に突撃訪問!In帯広北高校
 店舗スタッフの販売に同行し、お昼時でにぎわう普段の購買にお邪魔しました!

え~どれにする!?

大好物発見!!

食べるの楽しみ!!

おいしいパンいつもありがとう!

お目当てゲット★

今日は何にしようかな~
僕甘いの!


今の高校生たちに人気のパンはこれだ!

〈チョコスプレー〉2種類のチョコレートをトッピング

〈照り焼きチキンサンド〉チキンとマヨネーズであえた野菜をサンド

〈チョコチップメロンパン〉昔も今も変わらず不動の人気!





工場に併設
手づくりのパン コルバ

 林製パン工場の創業は1947(昭和22)年。代表・林隆義さん(写真下)の父で先代の林留五郎さんが、竹屋製菓(帯広)で和菓子職人をしていた頃、アメリカから日本に小麦が輸入され、パン作りを始めたことがきっかけ。当時は商店へ卸していたが、40〜50年ほど前に学校給食用のパンも手がけるようになった。2018年には現在の工場兼店舗に移転し、設備も刷新した。

 店舗では購買でおなじみのパンが60種類ほど。火曜は〈全粒粉ブレッド〉、水曜は〈玄米食パン〉、木曜は〈ライ麦パン〉のように曜日限定のパンも店頭に並ぶ。店舗奥ではパンの製造風景を見学できるので、買い物ついでにプチ工場見学をするのも楽しい。


帯広市西17条南1丁目16-5 
Tel:0155・33・5585 
営:9時30分~18時 
休:日曜、祝日