十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2025年7月号

特集/夏本番!旨辛メニュー

みんなの好きなパン(1)「『ただいま』と訪れたくなる、あのパン屋~ぱんの店 teto.(てと)」

 夫婦で切り盛りする町のパン屋さん。お目当てはパン? それとも2人に会いたいから? 心温まるお店を紹介します。



ぱんの店 teto.(てと)
 1度訪れたら誰もがてとのファンになる。店主・斎藤剛さんが焼くパンはどれもおいしく、気さくな奈桜子(なおこ)さんとの会話も楽しい。後ろ髪を引かれるように店を出て、数日後にはまたあの空間が恋しくなる。

 札幌のパン屋で約30年間勤めた剛さんと、妻の奈桜子さん。現店舗と縁があって帯広へ移住し、2022年には「夫婦で、そしてゲストと“手と”手を取り合う」という思いで店をオープンさせた。「目指すのは毎日食べても飽きず、いい意味で特別感がないパン」と奈桜子さんはほほ笑む。

食パン、全粒粉、フランス、バターロールという4種の生地で多様なパンを焼く。正午を目途に全種類がそろい、店内は甘い香りに包まれる。4月から商品をリニューアル中


 店に並ぶ約40種のパンは、できる限り地元産の食材を使用。特に剛さんがこだわったのが小麦で「帯広で店を開くなら、絶対に十勝産」と言い切る。しかし剛さんが使い慣れていたのは外国製小麦。甘みと弾力が強い十勝産小麦の扱いに最初は苦戦した。試作を繰り返して開店ギリギリまで粘った結果、2人が「90点以上」と意見が一致したパンが完成。「無理だと思ったフランスパンも、今は自信作」と剛さんは胸を張る。

成形、発酵、焼きを並行しながら、複数のパンを手際よく作り上げる剛さん。どのパンも小麦の風味が引き立つ素朴な味わい


 大のパンマニアである奈桜子さんのアイデアを剛さんが形へ。「パンを作れないから逆に発想が柔軟」と話す剛さんの横で奈桜子さんが「ヘヘッ」とお茶目に笑う。公私ともに良きパートナーである2人の、朗らかな雰囲気にも和む。

てとで見つけたかわいい「パン」

おいしそうな看板♪

「パン」ダもいるよ!


帯広市西16条南2丁目9-21
営:10時~14時 
休:水・木・金曜
Instagram:teto.panno_mise
※パンの予約は、希望日の2日前までにインスタグラムのDMへメッセージを

※フリーマガジン「Chai」2025年5月号より。
※撮影/平栗玲香。写真の無断転用は禁じます。