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ばんえいの未来を担うニュースター~キングフェスタ~

山田 夏航

十勝毎日新聞社 編集局社会部

 1969年に創設され、デビュー初年度の2歳世代(明け3歳)のチャンピオンを決める「イレネー記念」は、同世代限定戦で唯一のBG1に格付けされている重賞競走。そして昨シーズン、伝統の一戦である同レース(2022年3月)を圧倒的1番人気に応えて制したのがキングフェスタだ。

 同馬はデビュー初戦を制すと、勢いそのまま白星を重ねてゆく。昨年10月のナナカマド賞(BG3)で初の重賞タイトルを獲得すると、年が明けた2月の翔雲賞(BG2)も制し、気付けば昨年出走した18レース中11勝を挙げ、世代最強馬として2歳シーズンを駆け抜けた。

 父はばんえい記念を2度、重賞を計21勝し、「漆黒のナイフ」と呼ばれたキレを武器に多くの名勝負を繰り広げたカネサブラック。母は第25回ヒロインズカップ(2015年1月)を制し、半姉には現在、オープンクラスでも活躍中のコマサンエースなども出産しているクインフェスタ。ばんえい競馬の一時代を築きあげた2頭の名馬から同馬は誕生した。

 管理をしている小北栄一調教師(63)「脚力はカネサブラック、末脚の速さはクインフェスタ譲り。ここ最近調教を担当している馬の中でも、これから先ダントツ“勝てる”馬だと思っている」と太鼓判を押す。

昨シーズンのイレネー記念で見事勝利したキングフェスタの口取り式

 いつも堂々と落ち着いた雰囲気でレースに臨んでいる印象の同馬だが、「春先の能力検査では、どちらかというと他の馬にはうるさく気性は荒かった」と小北師。それでもレースを重ねていくことで少しずつ「大人」に成長し、素直な扱いやすい馬になったという。

 戴冠したイレネー記念は前日からかなりの降雪があり、パワーの違いで同世代のライバルたちを圧倒して来たキングフェスタにとっては、決して有利とは言えない条件の軽馬場だった。だが、ゲートが開くとわずかな不安も杞憂に終わる圧勝劇。どんな馬場でもオールマイティに走れることを結果で証明してみせた。

 2019年度まで12年連続リーディング1位に輝いたしたトップジョッキー、鈴木恵介(45)との相性もバッチリだ。「動かない馬を動かすことができる男。隙を与えない乗り方ができる。今期も勝ち続けさせられるだろう」と小北師も期待している。

 現在は、獲得賞金による重量ハンデも考慮して、一旦退厩させて休養中。小北師は「復帰レースは未定だが7、8月には出走する可能性が高い」と話す。3歳世代に進級した2歳チャンピオンの活躍から目が離せない。(山田夏航)

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