勝毎電子版ジャーナル

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「一人で暮らす喜びも寂しさも」『独り居の日記』(みすず書房)

佐々木 ののか

文筆家

 家族について考えるとき、いわゆる“おひとりさま”の生活についてももれなく想いを馳せたい。家族を持つ選択をした人も、しなかった人も、離婚や解散、死別などによって最後はひとりになるからだ。

 ひとりという言葉には、どこか決意や厳しさ、寂しさなどが感じられ、そのせいで、誰もがひとりになることを過剰に恐れている気がする。けれども、ひとりでいることは、そうした厳しさや寂しさに塗り尽くされて...