みっけ～幸せの種～子育てリレーエッセー～（１０２）「して欲しいことは先に見せる」

　長女が歩き始めた頃、一緒に散歩に行きました。風に舞う落ち葉を追いかける姿を見て、私も娘と同じ目線になってみました。いつも見ている世界が変わって見えました。大人になると忘れてしまう小さな喜びや、何気ない景色の中にある発見を、幼い子どもたちは思い出させてくれる存在でした。

　一緒にお風呂に入りながら、「今日あった嬉しいこと」を１０個言う。私はそれに「いいねー！」と返す。毎日の中でほんの数分でも手を止め、耳を傾ける時間は互いの心を通い合わせる〝つながり〞と〝信頼〞が育まれる時間だった気がします。親はつい自分の望みを子どもに求めがちになることがあるけれど、子ども自身が主体的に行動を起こすのは、「やってみたい」と気持ちが動くことから始まる。感謝を伝えられる子になって欲しいと望む
なら、子どもに感謝を伝えられる自分であることが先なのかもしれませんね。

＜道見里美＞
２児の母（大学１年、高校１年）
「やる気を引き出す魔法の質問」講座認定講師、魔法の質問キッズインストラクター。ママと子どもたちのココロを笑顔で支える８ｐｒｏｊｅｃｔで育自ｓｍｉｌｅ　ｓｕｐｐｏｒｔｅｒとして活動中。

●８ｐｒｏｊｅｃｔ…「ｓｍｉｌｅ」「ｓｕｐｐｏｒｔ」「ｓｐｉｒｉｔ」。子どもとママのココロが笑顔になるよう、多彩な視点から応援・支えていくプロジェクトです。

◆みっけ～幸せの種～子育てリレーエッセー～
子育てについて、十勝管内の３人のママさんが寄せてくれたエッセーを紹介するＣｈａｉの連載です。

※フリーマガジン「Ｃｈａｉ」２０２０年１２月号より。