十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2024年6月号

特集/酒場をめぐる冒険

Chai法律相談(183)「交通事故の治療費支払い打ち切りってどういう意味ですか?」

【質問】 
 交通事故で追突被害に遭い、むち打ちで通院していたところ、治療費を支払っていた加害者の保険会社から今月で治療費を支払わないと通知されました。元々、主治医は治療継続と言っていましたが、「保険会社が言うなら治療終了だね」と話が変わっています。これは違法だと思います。

【回答】
誤解があり、一般論では言えない難しさがあります。

 まず、加害者側の保険会社による医療機関に対する治療費の直接支払いは、一括対応(自賠責保険と任意保険の支払いを任意保険会社が一緒にする)です。これは保険会社のサービスのため、特に理由なく打ち切ることはできます。ただし、何の理由もなく打ち切るのは、被害者に対して不誠実なため、ほとんどのケースでは理由を言います。よくある理由付けは、「むち打ちならもう治る頃だ」「症状固定時期だから」があげられます。しかし、その時期は事故の程度や患者の状況により個人差があります。

 症状固定は、「一般的な治療をしても、これ以上はよくならない」という医学的な評価です。これは主治医でなければ分からないため、保険会社が支払いを打ち切る場合は、主治医の意見を聞くこともあります。今回治療終了になった理由はわかりませんが、元々主治医も症状固定時期と考えていた可能性はあります。ただし、医師が保険会社の言いなりになったとすれば由々しきことです。

 症状固定は、医学的な評価を前提にした法的概念です。医師の判断のみで確定するものではないため、きちんと弁護士に相談する必要があります。

今回の回答にご協力いただいたのは
[野村弘 弁護士]

事務所/野村弘法律事務所
    帯広市大通南11丁目19(澤田ビル2F)
Tel:0155・22・2711


※質問・回答はChai編集室の責任でまとめています。

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※フリーマガジン「Chai」2024年3月号より。