2024年4月号

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Chai法律相談(171)「ヘルメットを着用しないで自転車通勤をしても良いのだろうか」

【質問】 
 4月から就職する娘が自転車で通勤をする予定です。2023年4月から、法律が改正されて自転車を運転するすべての人がヘルメットをかぶるよう努めなければならなくなると聞いたのですが、娘は髪形が崩れるからヘルメットは絶対にしないといいます。ヘルメットを着用しないで自転車を運転していたら逮捕されてしまうのでしょうか。

【回答】
自転車運転時のヘルメット着用は努力義務とはいえ、さまざまなリスクを考えて着用すべきでしょう。

 現行の道路交通法でも、13歳未満の子どもについてヘルメットの着用が求められています。この法律の改正があり2023年4月からは年齢制限が撤廃されます。

 ただ、法律にはヘルメットをしない場合の罰則の規定が無く、「乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない」と定められているにすぎない「努力義務」のため、ヘルメットをせずに自転車を運転しても逮捕されることはありません。

 ヘルメットの着用義務が拡大した背景には、自転車事故で頭を強く打ち死亡したり重い障害を負ったりする例が後を絶たず、ヘルメットを着用していたら助かる命が失われていることなどの事情があります。

 また、ヘルメットをせずに自転車運転中に自動車との接触事故に遭ってけがをした場合、努力義務とはいえルールを守らなかったことを被害者側の落ち度と指摘され、加害者側から受ける損害賠償額が減らされる可能性もあります。自転車運転の際はヘルメットを着用する必要があることを家族で共通認識にしましょう。

今回の回答にご協力いただいたのは
[岩崎優子 弁護士]

事務所/岩崎優子法律事務所
帯広市東3条南9丁目18-1(Trust1F)
Tel:0155・67・6255


※質問・回答はChai編集室の責任でまとめています。

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※フリーマガジン「Chai」2023年3月号より。