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2022年1月号

特集/きままなキミと、今年も

Chai法律相談(155)「相続放棄をしたら空き家の管理義務も免れる?」

【質問】
 私の父親は昨年他界し、母親も最近亡くなりました。遺産は母名義の実家の居宅のみですが、とても古く、売却するのが難しい状況です。そのような実家の固定資産税を支払い、維持管理を続けるのも負担ですので、相続放棄をするつもりです。相続放棄をすれば、今後空き家となった実家の管理義務を免れられるのでしょうか。

【回答】
相続放棄だけでは管理義務を免れない場合があります。
 
 自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内(多くの場合、被相続人が亡くなったことを知ったときから3ヶ月以内)に、被相続人の最後の住所地にある家庭裁判所で相続放棄の手続きをすれば、その人は相続人ではなくなり、固定資産税の支払い義務もなくなります。ただし、相続放棄をしても、空き家の管理義務がなくなるわけではありません。

 相続が発生し、相続放棄をすると、第1順位:配偶者と子ども、第2順位:配偶者と直系尊属(被相続人の親)、第3順位:配偶者と兄弟姉妹の順に、相続人の地位が移ります。管理義務を免れるためには、次の相続人に相続財産の管理を引き継ぐ必要があるのです。

 もしも相続人が全員相続放棄をして、相続人がいなくなってしまった場合には、相続財産管理人に空き家を引き渡すまで、管理義務が残ります。もっとも、2 0 2 1 年に民法が改正され、相続放棄した者の相続財産の管理義務は、「相続財産を現に占有しているとき」に限定されるようになりました。

今回の回答にご協力いただいたのは
[杉臣幸恵 弁護士]

事務所/本別ひまわり基金法律事務所 本別町南1-2-39-2F
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※質問・回答はChai編集部の責任でまとめています。

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※フリーマガジン「Chai」2021年11月号より。