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南極昭和基地では限られたメンバーでさまざまな観測から建設までこなしていかなければならない。そのためには専門外のことでも協力し合って作業をしている。
25日は数グループに分けて作業を開始した。私は基地に設置されている風力発電を梱包していた木枠の解体作業を行った。メンバーといっても、設営の監督者一人に気象隊員や教員、そしてカメラマンなどで構成された素人集団。難しい仕事ではないが、慣れない道具で苦戦しながら進めた。
昭和基地の作業現場を入ってきたアデリーペンギン 木枠のくぎ抜きをしていると「ペンギンがいるぞ―」。言葉を聞いて振り返ると1羽のアデリーペンギンがこっちに向かってきた。南極では5㍍以内に近づいてはいけないことになっているが、作業をしているすぐ脇をよちよちと通りすぎていった。雪と氷が似合うペンギンだが平然と作業道を歩いている。ペンギンがいる工事現場は見たことがない。昭和基地は特殊なところだ。
気象隊員の加藤裕(ひろし)さんも「なれない仕事で手間取っていたが、ペンギンを見ることができて、疲れも吹き飛んだ」と顔をほころばせていた。