タグ南極観測船しらせ
20日、朝起きると全く揺れていない。しばらくすると、流氷域に達したと放送があり、艦首の立ち入りが許可され急いで外に出た。昨日とは景色が一変していた。船体が氷を砕く度に鈍い音が響き渡る。
氷の上で羽を広げるアデリーペンギン 空には真っ白なユキドリが「しらせ」の周りを飛んでいる。小さな流氷に黒い点が一つ。近くに来てみると目のまわりに白い縁取りしたアデリーペンギンが一人ぼっちで立っていた。
氷の上に姿を現したアザラシ 「しらせ」は進む。アザラシが船を見て逃げていく。艦首にはいつまでもレンズ越しに流氷を見続ける隊員たちが多くいた。
教員派遣の柴田和宏さん(41)は「今まで無機質な感じだったが、生き物が出てくると、いよいよ大陸が近くに来たことを実感した」とうれしそうに話した。