私の勤務する十勝毎日新聞の本社は北海道帯広市にある。多くの隊員は羽田空港で一区切りだが、帯広に帰るまで南極取材は終わらない。
帰国した翌日の28日午後、約4か月ぶりに会社に行くと、私のデスクが既になくなっている。目を丸くしていると、「引っ越ししたから」と一言。所属する画像部全体が移動していた。新品のデスクに元からあった取材資料などが整然と並んでいる。私がいない時の方が机の上がきれいというのは複雑な心境だった。
実は2歳7か月の息子に一緒に行きたいとせがまれ、「この日くらいは良いだろう」と子どもを連れて会社に顔を出した。しかし、母親がいないことに気付いた息子は終始泣き止まず、あいさつどころではなかった。
29日からは通常業務に戻り、南極が思い出に変わっていく。しかし、まだ57次の越冬隊は昭和基地で奮闘している。帰国組は南極の報告会やしらせからの物資搬出、58次隊で再度南極に行く人もいる。引き続き南極関連の近況をアップしていきたい。