タグ南極観測船しらせ
57次隊最後の停船観測が21日、実施された。終了後は、「耐圧試験」が行われ、隊員らが持っているコップなどを海中に沈めた。水圧でさまざまな形に変わったサンプルを記念品とした。
耐圧試験といっても、観測に使用していたウインチワイヤの巻き直しと油の塗布が本来の目的だ。ワイヤの繰り出し長は1000㍍。水深約800㍍まで沈め、30分かけて引き上げた。沈めたものは中空の水筒やコップ、カップラーメンの容器など水圧の影響を受けやすいもの。中には大根も含まれていたが、塩漬けになったかは不明だ。
引き上げたコップを見ると、五角形や六角形につぶれ、デザイン性も高くなっている。水筒は不規則に変形してふたができない状態だ。使用には耐えられないだろう。カップラーメンの容器は全体が小さく、可愛らしくなっている。
早速沈めたコップでお茶を入れて飲もうとするが、熱くて持てない。保温性も下がり、得た代償は大きかった。