十勝毎日新聞電子版
Chaiでじ

2025年1月号

特集/今食べたい 冬の鍋

オシャレ大好き(5)「今気になるのは、十勝のアパレル~nosome、tokAchiAzuki、わたしはひつじ」

右から共同代表の中山勝治さん、円城寺篤さん、尾崎将寛さん。商品は50種類程度。現在は「泥染め」にも挑戦し、染色技術を学ぶために九州地方など全国各地に足を運ぶ

 地元らしさを詰め込んだ、十勝ならではの服やアクセサリー。身に着けることでますます郷土愛がUPしそう!

温泉水×農業廃棄物 異業種の3人が集まり、新しいブランドが誕生!
◆nosome(ノーサム)

 使うのは「廃棄される素材のみ」。自分たちで独自のルールを作り、洋服製作を楽しむ人々がいる。地域にある「ひと」と「もの」のつながりを色で表現し、十勝を象徴する商品を作りたい。「飲食業」「民宿」「アパレル」と異なる経歴をもつ3人が集まり、2020年にブランドを立ち上げた。助川農場(本別)のタマネギの外皮、まきばの家(池田)のブドウの皮や房、メムロピーナッツ(芽室)の落花生の殻など役割を終えた材料で草木染めし、デイリーウエアとして使える洋服や小物を手掛ける。

 草木染めは、古くから温泉を使った染色を行うアイヌの方々が指導。生地を阿寒湖温泉の温泉水に浸すことでアルカリ性の重曹泉が作用し、色の定着を手助けする。チタン、アルミ、鉄などの金属と反応させ、色彩の変化を作り出す。

 「染色技術と鹿革や羊毛などのさまざまな素材をうまく組み合わせ、新しい形で十勝を表現したい」。彼らの挑戦は始まったばかりだ。

コットンニットキャップ〈new color dye bernie〉3,500円、Tシャツ〈onion dye "notice" CUbrown〉7,500円、トートバック〈onion dye cap"BIG" tote bag〉4,800円

〈new color dye cap "LOGO"〉4,800円。ワイングラスの飲み口をイメージしたロゴがワンポイント。要望に応じて染め直しのサービスも行う。価格は2,000円前後

店舗は円城寺さんが昔営んでいた飲食店を再利用。元々調理場だったスペースを工房にし、日々染色技術を磨いている


帯広市大通南11丁目20-5
no.some.local@gmail.com
営:11時~19時
月・火・土・日曜のみの営業



右上から時計回りに〈フリンジピアス〉〈カクカク牛のピアス〉〈クリスタルピアス〉。ピアス各種1,400~1,600円


十勝愛をおしゃれにアピール
◆tokAchiAzuki(トカチアヅキ)

 見た瞬間に心を奪われる牛のブローチやピアスは、トカチアヅキ・中家智子さんの作品。十勝と牛への愛が詰まったひとひねりあるデザインが人気だ。大人にはかわい過ぎると思いきや、白と黒のモノトーンがシックで幅広いコーディネートになじむ。

 材料は熱を加えると小さく縮むプラスチックの板「プラバン」。同じプラバンを使ったアクセサリーでも、レジンを塗ってツヤや立体感を加えたり、やすりをかけてザラザラとした触感を出したりと仕上がりはさまざま。イラストや柄付けは手作業なので、すべて一点ものなのも魅力だ。じっくり眺めて〝どの子〞にしようか悩むのも楽しい。

左から〈カクカク牛のブローチ〉〈横顔ブローチ〉。ブローチ各種1,400円~1,800円

大阪府出身で、大学進学を機に北海道で暮らす中家さん。牛モチーフのアクセサリーは畜大生や酪農家にも評判


問い合わせ先:Instagram:tokachi_azuki  
※商品はファームデザインズ帯広畜産大学店などで販売中。不定期でオンラインショップがオープン。詳細はインスタグラムで確認を



〈とかちの羊とぐんまの蚕のストール〉16,000円~。工房風色(音更)の藍染や草木染など、自然の素材を生かして染めた羊毛がかわいらしい


寒い日も楽しくなる羊の温もり
◆わたしはひつじ

 十勝で活躍する羊毛作家・わたしはひつじこと、伊藤由生子さんが作るストールや帽子は、シンプルながら目を引くこだわりの品。羊毛のふわりとした風合いがかわいらしく、身に付けている人はもちろん、見ている人にも笑顔を届けてくれる。

 〈とかちの羊とぐんまの蚕のストール〉は、国産素材がそろう時に販売する限定品。群馬県から取り寄せる繭と、石田めん羊牧場(足寄)の羊毛を使用する。外側にあしらった青や赤の毛がアクセントだ。薄いシルクにカラフルな海外の高級羊毛を重ねた〈シルクシフォンとファインメリノのストール〉も個性的。軽いのに温かく、その上丈夫なのがうれしい。暗くなりがちな冬の装いに彩りを添えてくれる。

多彩な羊毛を貼り絵のように並べて作る〈シルクシフォンとファインメリノのストール〉18,000円~。サイズオーダーも可

独創的な帽子もオーダーで販売。羊毛は水をはじくので、雪の日にかぶるのがお勧め

伊藤さんは羊の飼育や羊毛の活用について学び、2015年から羊毛クラフトを販売。高齢者とのコラボレーションにも取り組む


問い合わせ先:Instagram: watashi_ha_hitsuji
※実際に商品を確認したい場合はイベント参加時が確実。2月には十勝ヒルズでのイベントに出店予定。詳細はインスタグラムで確認を。

※フリーマガジン「Chai」2024年2月号より。
※撮影/辻博希、辰巳勲、平栗玲香。写真の無断転用は禁じます。