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ハートの形 神秘の湖「豊似湖」

日高管内えりも町内にある豊似湖は、日高山脈襟裳国定公園内にある同管内唯一の自然湖。上空から見た形が「ハート」に見えることから、「ハートレイク」として親しまれている。菓子製造販売の石屋製菓(本社札幌)が手掛ける看板商品「白い恋人」のテレビCMでも登場し、注目を浴びた。

湖周辺の生態系も魅力

豊似湖の周遊は約1キロ、水深約19メートル。標高約260メートルに位置する。国道336号線(黄金通路)から猿留川沿いに林道を進み、傾斜を上ると到着。うっそうたる針葉混交林の巨木やガレ場に囲まれ、ひっそりとたたずむ神秘的な青い湖面に言葉を失う。

 河川の流入ではなく地下浸透で湖水を保つ。古くは、神にちなんだ「カムイトー」や「トヨニトー」と呼ばれ、水は不治の病に効果があるという言い伝えもあった。明治以降、馬の蹄に形が似ていることから「馬蹄湖(バテイコ)」、「豊似湖」と定着した。

 湖周辺の生態系も魅力のひとつだ。湖畔の散策路を歩きながら耳を澄ますと、凛然とした空気の中、アカゲラなどの野鳥が木を小突く音や、小動物の鋭い鳴き声が響き渡る。秋は、食料でほほをいっぱいに膨らませたエゾシマリスが、愛くるしく出迎える。1950~60年代には、ワカサギやニジマスの放流を行ったこともあり、魚が泳ぐ姿も確認できる。

観光と自然保護のバランスを

同CM放映から周知が進み、同町によると、湖畔から湖南側の沼見峠を含む散策コースが人気だ。2015年秋は、大手旅行代理店主催で、ヘリコプターによる上空からの観光遊覧を初めて実施。約10日間の運行で、道外や外国人観光客含む約90人が利用した。

 観光化が進む一方、自然保護とのバランスも危惧される。小動物を湖へ持ち込んだり、中には心ない写真家もいるという。ありのままの自然を残し、神々しささえ放つ湖。生態系へ尊厳を持ちながら、足を踏み入れる必要があるだろう。


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日高山脈襟裳国定公園 豊似湖

帯広から国道236号線→国道336号線(黄金道路)を経由で約2時間