19日、同行取材で訪れた昭和基地から約5キロ離れた小島、オングルカルベンではアデリーペンギンが子育てを行っていた。同じく繁殖期を迎えているナンキョクオオトウゾクカモメがひなを襲う場面も見られ、ひなを守る成鳥との激しい攻防が繰り広げられている。
アデリーペンギンは南極沿岸の露岩域で繁殖し、昭和基地付近では、同地やまめ島など複数の営巣地がある。小石を集めて巣を作り、南極が夏場の間に卵を産み育てる。
(7)頭を隠して丸まるアデリーペンギンのひな 卵からかえったひなは灰色の羽毛で覆われている。ひな同士で集団を作り、成鳥が寄り添うように取り囲んでいた。周りには天敵によって食べられたひなの残がいや途中で死んでしまったひなが数多くあった。分解が進まない南極では腐らないまま乾燥し、長い年月をかけ風化して自然の循環に戻る。
ナンキョクオオトウゾクカモメが上空を回り、隙を狙ってヒナを襲う。成鳥はくちばしで激しく突き、追い払う光景が何度も見られた。
(5)ペンギンの繁殖地の近くの岩場に隠れるナンキョクオオトウゾクカモメのひな すぐそばの岩陰にはナンキョクオオトウゾクカモメのひな1羽が身をひそめて親鳥の帰りを待っていた。
自然の優しさと厳しさ同時に感じさせる光景が広がっていた。